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佐藤 智春
日本テレビ系で放送中の遺産相続ドラマ「相続探偵」の第2話が放送されました。世帯視聴率は8.0%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)と、まずまずの人気と話題のドラマみたいですね。
赤楚衛二が演じる遺産相続専門の探偵・灰江七生(はいえなお)の独特な雰囲気と、名バイプレイヤーたちの存在が、今週も作品の世界観を一層引き立てています。
今回の第2話では、どのような展開が繰り広げられるのか。相続にまつわるさまざまな要素とともに、詳しく解説していきます。
風変わりではあるものの、相続に関する鋭い嗅覚と豊富な知識を持つ相続探偵・灰江七生(通称ハイエナ)。その腕前とは裏腹に事務所は常に赤字続きで、今日もアシスタントの令子(桜田ひより)の嘆きの声が響いています。
そんな中、事務所を訪れたのは、大手生命保険会社の鬼頭倫(矢柴俊博)と、中学生の恵蒜真琴(毎田暖乃)。話を聞くと、まだあどけない真琴は、先日亡くなった資産家・島村武三(寺井義貴)の離婚した妻の娘であることが判明します。
大手生命保険会社の関係者と、亡くなった資産家の娘。この組み合わせだけでも波乱の予感がしますが、さらに詳しく話を聞くと、島村の莫大な遺産は、再婚相手である未亡人・島村紗流(宮内ひとみ)が相続することになっていることがわかります。
銀座のクラブで働いていた紗流は、男を惑わせる魔性の女として有名で、過去にも死別と相続を繰り返してきた要注意人物。昨今、ニュースやメディアで話題となる「後妻業の女」が、今回のキーパーソンとなりそうです。
第2話の序盤、灰江の事務所には2人の相談者が訪れます。そのうちの一人、真琴は、亡くなった父に対して良い感情を持っていませんでした。しかも、父と離婚した後に苦労を重ねた母に、遺産が1円も入らないことを知り、憤りを感じます。もう一人の鬼頭は、紗流の遺産と保険金の受取人について疑問を抱き、真琴とともに灰江のもとを訪れたのでした。
視聴者の疑問「離婚した妻(もしくは夫)に相続権はないの?」
専門家の回答「離婚した元配偶者には、相続権はありません。」
民法では、相続権を持つのは被相続人の配偶者や血族(子・親・兄弟姉妹など)とされています。しかし、離婚すると「配偶者」の地位を失うため、原則として相続権もなくなります。ただし、以下のような場合には、元配偶者にも財産を受け取る権利が認められることがあります。
1.遺言がある場合
被相続人(元夫・元妻)が「元配偶者に財産を渡す」と明記した遺言を作成していた場合、その内容に従い、財産を受け取ることが可能です。
2.離婚時の財産分与
離婚時に財産分与を済ませていなかった場合、離婚後に元配偶者が財産分与を請求できるケースもあります。これは相続とは異なるものですが、結果として財産を受け取ることになります。
ここでもう一つ重要なのは、元配偶者との間に子どもがいる場合、その子どもには相続権があるということです。この際、子どもには 遺留分(最低限の相続権) も認められるため、遺言などによって完全に相続権を奪われることはありません。
今回のドラマでいえば、本来は、紗流は配偶者なので1/2、真琴も1/2の財産を取得する権利がありますが、遺言書で紗流に全ての財産を相続させる内容であるため、一旦紗流が全ての財産を受け取ります。真琴は、遺留分として1/4を紗流に請求することができます。
遺留分とは?
遺留分とは、法律で定められた最低限の相続財産の取り分のことです。子供には最低限の相続分(遺留分)が保証されています。
具体的には、法定相続分(法律で定められた相続の割合)の原則1/2が遺留分となります。ただし、この請求には期限があり、相続の開始(被相続人の死亡)を知ってから1年以内に行う必要があります。この期限を過ぎると、遺留分を請求する権利は失われてしまうため注意が必要です。
上記のように遺留分を請求する場合でも、その基礎となる財産の総額や内訳を正確に把握することが重要です。しかし、財産の評価や遺留分の計算は複雑になることも多いため、相続の専門家に相談することをお勧めします。
相続は財産の大小に関わらず、すべての方に関係する重要な問題です。大切な人への最後の思いやりとして、遺言について考えてみませんか?
第2話の中盤、鬼頭の報告によると、紗流は過去に何度も身内を亡くし、そのたびに高額な保険金を受け取っていたことが判明した。亡くなった人々の死因はほとんどが心筋梗塞であり、検死結果や保険契約書にも不審な点は見当たらなかった。しかし、一度だけ例外があった。相手となった青年・八木和也(山川源太)に関しては、結婚ではなく息子として養子縁組しており、その1年後、ひき逃げ事故で死亡していたのだった。
視聴者の疑問「なぜ婚姻ではなく養子縁組をしたのか?」
専門家の回答「養子縁組により、他人でも法定相続人になれます。」
今回のドラマでは、紗流の配偶者であれば殺さなくてはいけません。紗流に何かあった際、財産の全てを相続させることができると考え八木を養子にしたと考えられます。
遺産相続において、故人の養子が相続人となるケースは少なくありません。養子縁組をすると、養子は実子と同じように財産を相続できるため、家族以外の特定の人に財産を遺したい場合に有効な手段となります。
しかし、養子縁組を利用した相続対策にはデメリットもあるため、注意が必要です。特に、養子と血縁親族の間で相続分を巡る争いが発生する可能性があり、残された親族の関係に大きな影響を与えることがあります。そのため、養子縁組を検討する際は慎重に判断することが重要です。
相続は財産の大小に関わらず、すべての方に関係する重要な問題です。大切な人への最後の思いやりとして、遺言について考えてみませんか?
第2話の終盤、紗流の身辺調査を行う灰江は、紗流がかつて看護師として働いていたこと、さらに特別な模写の才能を持っていることを突き止めます。点と点だった疑問が次第につながり、確信へと変わった灰江は、ついに紗流の犯罪を暴くことに成功します。紗流は後妻業を続ける中で、毒物を使った殺人や、保険契約書・遺言書の偽造を行っていたのです。
視聴者の疑問「遺言書偽造が発覚した場合、相続権を失うの?」
専門家の回答「もちろん、相続権を失います。」
民法では「一定の重大な不正行為をした者は相続権を失う」と定められています。その中には「遺言書の偽造・変造・破棄・隠匿」も含まれています。
相続人の欠格事由とは?
相続人の欠格事由とは、法律上、相続権を失う特別な理由(民法891条)のことを指します。つまり、被相続人(亡くなった人)の財産を受け取る権利があったとしても、重大な不正行為を行った場合は相続できなくなるという決まりです。
では、相続人が欠格事由によっていなくなった場合、その遺産は誰が相続するのでしょうか?相続人が相続欠格により相続権を失った場合、相続は法定相続のルールに従って、次の順序で決定されます。
1.相続欠格者の子や孫などが代わりに相続する(代襲相続)
相続欠格者に子(直系卑属)がいる場合、その子が代わりに相続できます。また、孫やひ孫も対象となるため、代襲相続がさらに次の世代へ続くこともあります。
2.他の法定相続人が相続する(法定相続の順位に従う)
相続欠格者に子(代襲相続人)がいない場合は、法定相続のルールに従い、次の相続順位の人が相続します。
第1順位:子(または孫)
第2順位:直系尊属(親・祖父母)
第3順位:兄弟姉妹
3.相続人が全員欠格または不在の場合(相続人不存在)
すべての相続人が欠格となったり、もともと相続人がいない場合、相続人不存在となります。この場合、財産は国庫に帰属します(民法959条)。
価値のある遺産が関わる相続は、時として家族の絆を壊してしまうほど、関係を悪化させる原因となることがあります。そのため、亡くなった後も残された家族や親族の関係を大切にするために、事前に相続の専門家へ相談し、適切なアドバイスを受けておくことが重要です。
相続は財産の大小に関わらず、すべての方に関係する重要な問題です。大切な人への最後の思いやりとして、遺言について考えてみませんか?
紗流が相続権を失ったことで、武三の遺産は唯一の相続人である真琴が相続することになりました。これで問題は解決したかに思えましたが、家族を捨てた父を許せない真琴は、殺された父に文句を言うこともできない現実に嘆き、やるせない涙を流します。一方、事件が解決し、ひとり風に吹かれる灰江のもとに、週刊誌記者・羽毛田香(三浦貴大)が現れます。不敵な笑みを浮かべながら言葉をかける羽毛田と、それを険しい表情で迎える灰江。緊張感漂うそのシーンとともに、第2話は幕を閉じます。
今回は、離婚した夫婦とその子どもとの間での相続がテーマでした。また、後妻業と呼ばれる、相続を巡る犯罪行為についても取り上げられています。故人の財産を、気持ちを基に分けるのか、権利を基に分けるのか。その選択によって、残された遺族に与える印象や思いも大きく変わります。亡くなった後のことを他人任せにせず、生前にしっかりと対策しておくことが、とても大切だと思います。
みらいえ相続グループでは、離婚や血縁関係が複雑なご家庭のご相談にも対応しております。ドラマのような犯罪が実際に起こるケースは稀ですが、相続を巡って親族間でトラブルが発生することは少なくありません。そのため、事前に遺言書を残すことは、残された親族への配慮であり、感謝の気持ちを形にする方法の一つと言えるでしょう。
遺言書を用意するメリット
遺言書を作成しておくことで、相続トラブルを防ぎ、自分の意思を確実に実現することができます。特に、家族関係や財産状況が複雑な場合、遺言がないと相続人同士の対立が起こりやすくなるため、事前の準備が重要です。
遺言書を用意しないデメリット
遺言書がない場合、相続人全員で「遺産分割協議」を行い、協議が成立したら遺産分割協議書を作成し、各手続きを進めていきます。 相続人間での意見がまとまらない場合は、家庭裁判所の調停を利用することもできます。
また自筆証書遺言の場合、家庭裁判所での検認手続きが必要になります。この手続きには時間と費用がかかり、さらに相続人全員の立ち会いが原則として求められます。みらいえ相続グループでは、費用はかかりますが公正証書遺言の作成をおすすめしております。
故人の想いと残された家族の権利の間で、遺産を適切に相続することは、とても大切ですが難しいのも現実です。対応を適切に行い後々のトラブルを防ぐためにも、相続の専門家が在籍する、みらいえ相続グループへお気軽にご相談ください。
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