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ドラマ「相続探偵」を見る①相続は争族。遺産をめぐる骨肉の争い。

遺言

佐藤 智春

注目の遺産相続ドラマ「相続探偵」がスタート

日本テレビ系で放送がスタートしたドラマ「相続探偵」。赤楚衛二、桜田ひより、矢本悠馬といった若手俳優たちが出演し、遺産相続専門の風変わりな探偵・灰江七生(はいえなお)が、相続にまつわる難解な事件を解き明かしていくストーリーです。

本作は、TBS系ドラマ「SPEC」シリーズなどで知られる脚本家・西荻弓絵が原作を手がけた同名漫画をドラマ化したもので、「あんたの遺産は泣かせねえぜ」という決め台詞と共に、数々の事件を解決へと導く主人公をユーモラスに描いています。

相続をテーマにした珍しいドラマということで、みらいえ相続グループでもその内容や展開に注目しています。

 


 

第1話「或る小説家の遺言」のあらすじ

遺産相続の専門知識と鋭い嗅覚を武器に、難事件を次々と解決する相続探偵・灰江七生(通称ハイエナ)。そんな彼に、ワイン仲間でもある著名なミステリー作家・今畠忍三郎(橋爪功)の突然の訃報が届きます。

悲しみに包まれる葬儀会場の裏側には、莫大な遺産を持つ今畠の3人の娘、そして信頼を寄せていた秘書がいました。登場人物だけでも、一筋縄ではいかない複雑な人間関係が浮かび上がり、灰江には早くも「トラブルの予感」が漂います。

相続における古くからの言葉「相続は争族」と言われるように、遺産が絡むと家族の間で争いが起こることも少なくありません。第1話では、そんな問題を相続探偵・灰江七生がどう解決していくのかが見どころです。

 


 

ポイント① ビデオによる遺言は法的に無効

第1話の序盤、今畠は自身の莫大な遺産の相続先をビデオ録画で記録していました。その内容は「相続は家族ではなく、信頼する秘書に全て渡す」という衝撃的なもの。しかし、これを見た三姉妹は驚きながらも、ビデオ遺言の正当性に疑問を投げかけます。

視聴者の疑問「ビデオやスマホ動画での遺言は法的に有効なの?」
専門家の回答「法的には無効です。」

日本の法律では、遺言は文書で作成することが必須です。法的に認められる主な形式は以下の通りです。

自筆証書遺言:全文を手書きし、日付と署名を記載。
公正証書遺言:公証人が作成し、証人2名以上が立ち会う。
秘密証書遺言:内容を秘密にし、公証人と証人2名以上の前で封印。

自筆証書遺言の場合、遺言執行者が指定されているかどうかの確認が必要です。
自筆証書遺言に「○○を遺言執行者にする」と明記されていれば、その人が遺言の手続きを進められます。指定がない場合、家庭裁判所に遺言執行者専任の申し立てをし、遺言執行者を決めてもらわなければなりません。

これらの形式を守らない遺言は無効となる可能性があり、相続トラブルの原因となることもあります。今回のように、ビデオ遺言は法的効力を持ちません。

ただし、ビデオや動画による遺言が全く無意味というわけではありません。法的には無効でも、メッセージとして、遺族に思いを伝える手段として活用すれば、人の心情を和らげたり、トラブルを未然に防ぐなど送られた方にとって嬉しい事もあると思います。

遺産相続をスムーズに進めるためには、公正証書遺言などの法的に認められた形式で作成することをお勧めします。具体的なケースについては、相続の専門家に相談するのが安心です。

 


 

故人の遺産を想いと共に繋いでいくことは、とても大切ですが難しいのも現実です。対応を適切に行い後々のトラブルを防ぐためにも、相続専門の税理士が在籍する、みらいえ相続グループへお気軽にご相談ください。

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ポイント② 遺言を無理やり書かせることは犯罪

第1話の中盤、秘書の桜庭真一(髙嶋政伸)と顧問弁護士の福士(落合モトキ)が、事前に預かっていた手書きの遺言書を読み上げます。その内容は、ビデオメッセージと同様に「相続は信頼する秘書に全て渡す」というものでした。しかし、灰江はこの遺言書とビデオの内容に疑問を持ち、独自の調査を開始。やがて、この遺言が桜庭によって強要されたものである事実に辿り着きます。

視聴者の疑問「遺言を無理やり書かせることは犯罪になるの?
専門家の回答「犯罪になる可能性があります。

本人の意思に反して無理やり遺言を書かせる行為は、脅迫罪や強要罪に該当する場合があります。また、無理やり書かされた遺言書は、真意によるものではないので遺言書自体が無効となります。そもそも、資産家の方は自筆証書遺言ではなく、公正証書遺言をお勧めしています。

ちなみに、壺の中から自筆証書遺言が出てきましたが、探偵さんがいなければ発見されていないですよね。自筆証書遺言は、大事にしまい過ぎると見つけてもらえないリスクや、自分にとって不都合な内容が記載されてあった場合、破棄されてしまう恐れさえあります。

遺言書は残すことはもちろん大切ですが、それがどのように遺族に適切に届けられ、法的に効力を発揮できるかを考えることも大切です。

 


 

故人の遺産を想いと共に繋いでいくことは、とても大切ですが難しいのも現実です。対応を適切に行い後々のトラブルを防ぐためにも、相続専門の税理士が在籍する、みらいえ相続グループへお気軽にご相談ください。

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ポイント③ 相続先が家族以外やボランティア団体でも大丈夫

第1話の終盤、新たに発見された遺言書の正当性が証明され、今畠の本当の意思が明らかになります。その内容は、娘でも秘書でもなく、故人のお世話を最後まで行った家政婦・下島美代子(田中真弓)に遺産の一部を相続し、残りをボランティア団体に全額寄付するというものでした。

視聴者の疑問「相続先が家族以外やボランティア団体でも良いの?
専門家の回答「もちろん可能です。

一般的に遺産相続といえば、配偶者や子供など血縁関係者に渡すイメージがありますが、法的に認められる範囲で、故人の意思を尊重して決められます。家族以外の個人や団体(例:ボランティア団体、赤十字、寺院など)への相続や寄付も可能です。

今回のドラマの場合、相続で財産を受け取る家政婦さんは、被相続人が亡くなってから10か月以内に相続税を申告しなければいけません。また財産の一部をボランティア団体に寄付するというお話しですので、寄付金控除が適用される場合もあります。相続税の対象になるかなどは、受け取った財産の額によるので、詳細は専門の税理士などに相談するのが安心です。

遺産相続では、何よりも故人の意思が最優先されます。そのため、残された遺産をどのように活用してもらいたいのか、事前にしっかり考え、準備をしておくことがとても重要です。

 


 

法定相続人以外に相続すると加算や特例が使えないこともあり、税負担が大きくなる可能性があります。対応を適切に行い後々のトラブルを防ぐためにも、相続専門の税理士が在籍する、みらいえ相続グループへお気軽にご相談ください。

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第1話「或る小説家の遺言」の感想

問題を解決し、故人の想いを繋いだ相続探偵・灰江。「死人に口なしっていう言葉が嫌い」という灰江の独特な仕草や話し方が物語に深みを与えています。第1話の最後は「父さんの無念は、必ず晴らす」という決意とともに墓石に手を合わせるシーンのほか、弁護士・福士と謎の男・地鶏健吾(加藤雅也)が料亭で密談するシーンへと展開し、次回への伏線を感じさせます。

今回は親子間の相続がテーマでしたが、親が亡くなった後に、その気持ちを残された家族が推し量ることはとても難しいです。親子であれば、生きている間にどれだけの時間を共有できるかもとても大切です。

親が子を思い考えていることが、全ての子供が喜んでくれるわけでもありません。子供も親が築いてきた財産や思いをどのように引き継いでいくか、親の気持ちをしっかり受け止めることが必要です。

遺言書について詳しく知りたい方へ「遺言書の書き方」

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遺産相続は故人からの大切なメッセージ

みらいえ相続グループでは、遺産相続を通して故人の想いを後世に繋ぐお手伝いをさせていただきます。

また、今回のドラマのような多くの資産をお持ちの方だけでなく、資産の額に関わらず、争続にならないためにも、公正証書遺言をおすすめしております。

公正証書を税理士が作成するメリット
相続税の試算ができる
次の相続を見据えた提案が可能
納税資金の準備ができる
争いの回避

生前対策について詳しく知りたい方へ「相続トラブルを未然に防ぐための方法」

 


 

故人の遺産を想いと共に繋いでいくことは、とても大切ですが難しいのも現実です。対応を適切に行い後々のトラブルを防ぐためにも、相続専門の税理士が在籍する、みらいえ相続グループへお気軽にご相談ください。

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[監修]

佐藤 智春代表 税理士・行政書士

経歴:仙台大原簿記専門学校卒業後、宮城県で最年少税理士登録。20年以上の実務経験を持ち相続専門税理士として数多くの案件を手がける。(2024年相続税申告実績/222件) 相続専門税理士佐藤智春は税理士の日(2月23日)に産まれ、二次相続はもちろん、三次相続までサポートできます。多くの案件をこなしているからこそ三次相続まで見据えた遺産の分け方を提案しています。

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