相続税申告
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一般のお客様から相続サポートしている人まで幅広く役立つ相続に関する知識をわかりやすくご紹介しています。
佐藤 智春
相続に必要な書類を自分で集めようとしても、何の書類がどのタイミングで必要なのか分かりづらいと感じている方も多いのではないでしょうか。
相続に必要な書類は多くありますが、
の3つの場面で必要な書類は異なります。
まずは相続手続き全体の流れを知り、今どの書類が必要なのかを把握するのが重要です。
この記事では相続手続きに必要な書類の種類や、相続手続きを簡易にするための法定相続情報証明制度の活用方法、遺言書の必要性などについて説明します。
最後まで読めば、相続に必要な書類の取得先を理解することができ、実際に手続きを進めていくこともできるようになるでしょう。
相続に必要な書類について確認する前に、まずは相続全体の流れを把握しておきましょう。
相続全体の流れは、以下の7ステップです。
被相続人がお亡くなりになった後の流れを説明します。
相続人とは被相続人の財産を引き継ぐ人のことを指します。
相続人になりうる人が誰なのかをまず確認しましょう。
誰が相続人になれるかは民法で決まっており、以下の順位があります。
第1順位:配偶者・直系卑属(子や孫)
第2順位:直系尊属(父母や祖父母)
第3順位:兄弟姉妹
第1順位の直系卑属が亡くなっている場合はその子供が相続人となります。
被相続人がどのような財産を持っていたのか整理しましょう。
主に以下について調べます。
生前に家族に知らせないまま保険に加入していたり、預金をしていたりすることはよくあります。
その場合は生活状況を踏まえて、付き合いのありそうな会社を順番にあたってみるのがよいでしょう。
自宅や銀行の貸金庫、法務局や家族の誰かに預けていないか、確認します。
また公正証書遺言という種類の遺言の場合、公証役場で検索ができます。
遺言書があると遺産分割協議が必要ないケースがほとんどですので重要なステップです。
相続ではプラスの資産だけではなくマイナスの負債も引き継ぐため、借金があまりに多いような場合には相続をしないというのも選択肢になるでしょう。
相続開始を知ってから3ヶ月以内であれば、家庭裁判所に「相続放棄」を申し出ることで手続きができます。
放棄の他にも限定承認があります。
相続人全員で、被相続人の財産をどのように分けるか話し合います。
相続人全員が合意すれば、法定相続分や遺言の内容と異なる遺産分割を行うことも可能です。
遺産分割協議で決まった内容は、遺産分割協議書に記録します。
>遺産分割協議書について詳しくはこちら
遺産分割協議が合意に至らない場合は家庭裁判所へ判断を仰ぐことになります。
相続で一番トラブルが起きやすく、「争族」になりやすいタイミングでもあります。
相続人と分割割合が決まったら、名義変更を行います。
主に不動産・株式・自動車・預貯金などの変更が必要です。
特に不動産や株式の名義変更は、ややこしく感じられることが多いです。
それぞれ詳しく知りたい方は、関連記事をご覧ください。
>相続不動産の名義変更について詳しくはこちら
>株の相続について詳しくはこちら
相続税の申告は相続開始から10ヶ月以内に申告が必要となっています。
現金で納付することになっているため、税金が高額になる場合には納税資金についての検討や不動産を売却するなど早めの対処が必要です。
相続手続きは大きく以下の4つに分けることができます。
それぞれにおいて必要な書類が異なります。
ここでは必要書類の種類と取得方法などについて説明します。
遺産分割協議に必要な書類は、以下の3つです。
①戸籍関係書類
②財産評価関係書類
③遺産分割協議書
それぞれの名称や取得場所について解説していきます。
書類の種類 | 取得できる場所 |
---|---|
被相続人の出生時から死亡時までの戸籍謄本 | 本籍地のある市区町村 |
被相続人の戸籍附票又は住民票の除票 | 本籍地のある市区町村 |
相続人全員の戸籍謄本 | 本籍地のある市区町村 |
相続人全員の住民票または戸籍附票 | 現在住んでいる市区町村または本籍地のある市区町村 |
戸籍謄本は出生や結婚・離婚、などの記録がされている書類で、戸籍附票とは住所の移転履歴です。
取得した書類から「相続人が誰か」を読み取り、相続関係説明図を作成します。
書類の種類 | 取得できる場所 |
---|---|
不動産全部事項証明書 | 全国の法務局 |
固定資産評価証明書 | 不動産のある市区町村 |
残高証明書 | 口座を開設している金融機関 |
有価証券の取引内容証明書 | 口座を開設している金融機関 |
被相続人の所有している財産によって異なるため、ここで挙げた以外にも必要な書類が増える可能性があります。
各金融機関や法務局へ問い合わせてみましょう。
また貸し出している不動産がある場合は賃貸契約書が、贈与を行っている場合は贈与契約書などが必要になります。
遺産分割協議書は、財産の名義変更や相続税を申告する前のタイミングで必要となる書類です。相続人全員が書類に署名捺印を行い、押印した実印の印鑑証明を添付することで効力を発揮します。
必要書類 | 相続放棄する人と被相続人の関係性 | 取得先 |
---|---|---|
相続放棄申述書 | 全員 | 家庭裁判所または裁判所のサイト |
被相続人の戸籍附票 | 全員 | 本籍地のある市区町村 |
相続放棄する人の戸籍謄本 | 全員 | 本籍地のある市区町村 |
被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本 | 配偶者/子供/孫 | 本籍地のある市区町村 |
被相続人の出生時から死亡時までの戸籍謄本 | 父母/祖父母/兄弟姉妹 | 本籍地のある市区町村 |
被相続人の直系卑属の死亡の記載がある戸籍謄本 | 兄弟姉妹 | 本籍地のある市区町村 |
相続放棄する人と被相続人との関係性によって、必要な書類は変わってきます。
また本来相続人となるべき人が亡くなってしまった場合に、その子供が代わりに相続することを代襲相続と言います。
代襲相続が発生する場合には、代襲相続が発生した事由を証明するために、追加で書類が必要となりますので注意が必要です。
銀行や証券会社などの金融機関に提出する書類は以下です。
書類の種類 | 取得できる場所 |
---|---|
相続人全員の戸籍謄本と戸籍附票 | 本籍地のある市区町村 |
被相続人全員の戸籍謄本と戸籍附票 | 本籍地のある市区町村 |
名義書き換え依頼書 | 口座を開設している金融機関 |
遺産分割協議書または遺言書 | 相続人または被相続人が作成 |
相続人の印鑑証明書 | 現在住んでいる市区町村 |
相続放棄受理証明書 | 裁判所 |
不動産の相続登記をする場合に必要な書類は以下です。
書類の種類 | 取得できる場所 |
---|---|
被相続人の出生時から死亡時までの戸籍謄本 | 本籍地のある市区町村 |
被相続人の戸籍附票 | 本籍地のある市区町村 |
不動産相続人の戸籍謄本 | 本籍地のある市区町村 |
遺産分割協議書または遺言書 | 相続人または被相続人が作成 |
登記申請書 | 法務局 |
登記事項証明書 | 法務局 |
固定資産評価証明書 | 不動産のある市区町村 |
なお、不動産については遺産分割の方法によって、必要書類が追加されますので注意してください。
相続税申告時に必要な書類は以下です。
書類の種類 | 取得できる場所 |
---|---|
相続税申告書一式 | 税務署または国税庁HP |
被相続人の戸籍謄本 | 本籍地のある市区町村 |
相続人全員の戸籍謄本 | 本籍地のある市区町村 |
遺産分割協議書または遺言書 | 相続人または被相続人が作成 |
相続人全員の印鑑証明 | 現在住んでいる市区町村 |
財産の内容がわかる書類(残高証明書など) | 銀行や証券会社 |
被相続人が所有していた財産の種類や各種特例を適用する場合には、別途書類の提出を求められることがありますので注意してください。
スムーズに相続手続きを進めるために有効な、法定相続情報証明制度について説明します。
平成29年5月に始まった制度で、法務局に戸籍謄本をはじめとする必要書類を提出し、相続関係を一覧に表した図を提出すれば、一覧図に認証文をつけた「法定相続情報一覧図の写し」を無料で発行するという制度です。
参考:「法定相続情報証明制度」について|法務局
制度を利用して「法定相続情報一覧図の写し」を取得すると、公的な証明書類となります。
すると、不動産の相続登記や銀行口座の名義変更、相続税の申告といった手続きに写しを利用でき、手続きを簡単に進められるようになります。
従来は、戸籍謄本や印鑑証明書などの書類を一度提出してしまうと、返却するまで次の手続きが進められませんでした。
「法定相続情報一覧図の写し」は無料で必要なだけ発行できるため、同時に複数の相続手続きを進めることができます。
前述の必要書類にある被相続人の戸籍や相続人の戸籍など相続人の確認に必要な添付書類をこれ1枚でできます。
遺言書は相続手続きにおいて必須ではありませんが、被相続人が遺言書を作成してあると手続きがスムーズに進むケースがあります。
遺言書には以下の3種類があります。
被相続人自らが書面を作成する方法です。
手軽に作れる反面、不備などがあると無効となってしまい、トラブルが起きやすいという問題点があります。
公証役場の公証人に作成してもらう方法です。
作成費用はかかりますが、紛失や隠蔽のリスクも少なく、有効性も担保されやすいというメリットがあります。
内容を秘密にしたまま、遺言書が証明している事実だけを交渉役場で承認してもらう方法ですが、あまり使われていない方法です。
確実に遺言を残したい場合には「公正証書遺言」を使うのがよいでしょう。
遺言書がある場合、あらかじめ相続人や相続割合が決まっているため、遺産分割協議が不要となります。
各種書類の準備や相続人全員の意見を一致させる手間もかからず、争いを避けることができるのは大きなメリットと言えるでしょう。
また孫や内縁の妻といった、法定相続人以外の人に財産を残したい場合にも有効です。
相続手続きで提出書類について良くある質問をまとめました。
2018年4月から戸籍謄本はコピーでの提出が可能となったため、原本の提出が必須なのは印鑑証明書のみです。
ただし、いちど預けた書類は手続きが終わるまで返却されません。
そのため、写しを複数作る、または法定相続情報証明制度を利用することで、速やかに手続きを進めることが可能です。
不動産の相続登記をする場合には、戸籍謄本や印鑑証明書に有効期限はなく、被相続人が亡くなった後のものであれば古くても使用可能です。
ただし、そのほかの相続手続きにおいては3〜6ヶ月以内の最新書類を求められるケースがほとんどのため、都度確認の上、提出しましょう。
準備する書類は相続時の状況によって違うため、一概にどのくらいかかるとは言えませんが、おおよそ1〜2ヶ月はかかると考えておいた方が良いでしょう。
相続放棄する場合は相続開始を知ってから3ヶ月以内に申し出なければならないため注意が必要です。
被相続人が外国人の場合、本籍が日本にあれば国内の法律が適用されます。
被相続人が日本国籍であれば、相続人が外国籍の場合であっても特に問題はありません。
ただし、戸籍証明書または戸籍に代わる証明書を取り寄せる必要があります。
戸籍に代わる証明書としては出生証明書、婚姻証明書、死亡証明書、宣誓証明書などがあります。
相続税の申告期限までに遺産分割が間に合わない場合には、いったん法定相続分で遺産を分割したものとして申告する「未分割申告」を行います。
この場合「分割見込書」を提出することで、遺産分割確定後に税額の軽減や特例などを受けられるようになります。
委任状があれば、行政書士・司法書士・弁護士・税理士といった専門家に収集を依頼することが可能です。
特に相続人が複数いる場合や遺産が数多くある場合には、相続関係の説明資料や財産目録の作成に手間取ってしまうケースが多いため、専門家に依頼した方が楽に手続きを進められるでしょう。
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相続手続きに必要な書類や相続手続き全体の流れについて説明しました。
書類は自分で集められるものがほとんどですが、相続時の状況によっても必要な書類は変わってきます。
遺産分割協議で揉める可能性がある場合に関しては専門家の指導のもと、適切な書類を用意するのが良いでしょう。
相続が発生すると手続きが一人で完結することはほとんどないため、早めに行動することが肝心です。
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