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佐藤 智春
かつて相続は、一部の富裕層に関係するものというイメージがありました。しかし、2015年の相続税法改正により基礎控除額が引き下げられ、相続税の申告が必要となるケースは増えています。こうした変化により、相続は今や一般のご家庭にとっても、決して無関係ではない問題となっています。
特に公務員の方は、長年にわたって安定した収入を得やすく、退職金や年金制度も整っているため、資産が着実に積み上がりやすい傾向があります。そのため、相続とは無縁だと思っていても、実際には相続税の申告が必要になるケースも少なくありません。
また、公務員の方の相続で問題となるのは、税金だけではありません。公務員の相続では、死亡退職手当や未支給年金、遺族年金など、遺産に含まれるものと、生命保険金など遺族固有の権利として扱われるものが混在しており、判断に迷いやすい場面もあります。
定年まで勤め上げ、まじめに働き、堅実に暮らしてきた結果として築かれた財産が、相続の場面では思いがけない課題につながることもあります。だからこそ大切なのは、公務員の相続に見られる特徴や課題、注意点を正しく知っておくことです。制度のポイントを理解し、早めに確認しておくことで、ご本人にとってもご家族にとっても安心につながります。
本記事では、公務員の方が亡くなった場合の相続について、特徴・課題・注意点を整理し、事前対策も含めて分かりやすく解説していきます。
出典元|国税庁「相続税及び贈与税の税制改正のあらまし(平成27年1月1日施行)」
公務員の方が亡くなった場合の相続には、公務員ならではの特徴がいくつかあります。たとえば、安定した収入、長期勤続による退職金、持ち家の保有、共済制度や年金制度の存在などが挙げられます。相続は、財産の種類が多いほど手続きが複雑になり、思いがけず相続税の申告が必要となるケースも少なくありません。
公務員の相続が複雑になりやすいのは、特別な資産運用をしているからではありません。安定した生活の中で財産が着実に積み上がりやすく、制度上の確認事項も多いためです。ここでは、公務員の相続に見られる主な特徴を、財産の内容ごとに分かりやすく整理していきます。

公務員相続の主な特徴
1. 預貯金が多く残りやすい
公務員は景気の影響によって給与が大きく変動しにくく、勤続年数に応じて収入が増えていく傾向があります。そのため、日々の生活費を管理しながら、定期預金や普通預金として着実に資金を蓄えているケースが多く見られます。派手な資産運用をしていなかったとしても、長年の積み重ねによって、まとまった額の預貯金が残っていることは珍しくありません。ご本人やご家族が「特別な財産はない」と思っていても、実際には相続財産が想像以上の金額にのぼることがあります。
2. 退職金が相続に影響しやすい
公務員の相続では、退職金が財産全体に大きく影響することがあります。すでに退職している場合は、受け取った退職金が預貯金として残っていたり、不動産や保険など別の資産に形を変えていたりすることがあります。公務員は長く勤める方が多いため、退職金も高額になりやすい傾向があります。そのため、預貯金や生命保険、自宅不動産などを合わせると、財産総額が想像以上に大きくなることがあります。
一方で、在職中に死亡した場合には、死亡退職手当が支給されることがあります。これは通常の遺産とは異なり、法令に基づいて受給権者となる遺族に支給されるものです。そのため、一般的には遺族固有の権利として扱われ、通常の遺産分割の対象とは分けて考える必要があります。
出典元|国税庁「No.4117 相続税の課税対象になる死亡退職金」
出典元|国家公務員退職手当法
3. 自宅などの不動産を保有しやすい
公務員は信用力が高く、住宅ローンを利用しやすいと考えられているため、自宅を取得しているご家庭が多く見られます。さらに、場合によっては、自宅以外に土地や賃貸用物件を所有していることもあります。相続において不動産は、単に住んでいた家というだけでなく、評価額をもつ財産として扱われます。特に自宅不動産は、相続税の基礎控除を超えるかどうかの判断に大きく影響することがあります。預貯金だけを見るとそれほど多くないように感じられても、不動産を含めることで財産全体の評価額が大きく変わることは少なくありません。
4. 年金や共済制度の整理が複雑になりやすい
公務員の年金制度は、制度改正を経て仕組みが変わっており、一般の方にとっては分かりにくい部分があります。特に、亡くなったことで終了する給付と、遺族が請求できる給付とが混在しているため、すべてを一律に遺産として扱うわけではありません。たとえば、未支給年金や遺族年金は、一定の要件を満たす遺族が請求できる制度上の権利です。これらは、単純に遺産分割の対象になる財産とは性質が異なります。公務員相続では、こうした制度を正しく整理しながら進める必要があります。
出典元|日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」
出典元|日本年金機構「遺族厚生年金を受けられるとき」
出典元|国税庁「未支給の国民年金に係る相続税の課税関係」
出典元|国税庁「No.4123 相続税等の課税対象になる年金受給権」
5. 財形貯蓄や共済貯金が見落とされやすい
公務員は、財形貯蓄や共済貯金を利用していることも多く、この点も見落とされやすい特徴です。これらは給与天引きで積み立てられていることが多いため、ご本人が日常的に強く意識していない場合でも、相当額が残っていることがあります。そのため、相続の際には、通帳だけを見るのではなく、給与明細、共済組合からの通知、振込口座の履歴なども確認することが重要です。
6. 生命保険や投資商品を保有している場合もある
公務員は、家族の生活保障を目的として生命保険に加入していることが多く、さらに余剰資金を活用して投資信託や株式を保有しているケースもあります。死亡保険金は原則として受取人固有の権利ですが、解約返戻金や満期保険金が被相続人に帰属していた場合には、遺産に含まれる可能性があります。また、株式や投資信託については、証券会社からの郵便物や配当金の入金履歴などから存在を確認していく必要があります。
出典元|国税庁「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」
出典元|国税庁「保険事故が発生していない生命保険契約(みなし相続財産)」
このように、公務員の相続が難しくなりやすいのは、特別な資産家だからではありません。安定した生活の中で形成された財産が幅広く存在しやすく、しかも制度面で見落としやすい要素が多いことに特徴があります。
預貯金、不動産、退職金、年金、共済、保険、投資商品といった財産や権利を整理していくには、相続と税務の両面から確認することが大切です。
関連資料|公務員相続のご案内(PDF)
関連ページ|親子二世代公務員のための生前対策(動画)
みらいえ相続グループでは、東京・仙台を拠点に、相続の専門家が、対面やオンラインでのご相談にも対応しております。まずは、お気軽にご相談ください。
公務員の方や公務員OBの方は、長年の安定した収入や退職金、持ち家などによって、気づかないうちに相続税の対象となる水準まで財産が積み上がっていることがあります。
その一方で、ご本人やご家族は「特別な資産家ではないから大丈夫」と考えてしまい、相続税や遺産分割の準備が後回しになってしまうことも少なくありません。ここでは、公務員相続を考えるうえで、特に押さえておきたい課題を3つに分けて整理していきます。

公務員相続の主な課題
1. 基礎控除の低さを理解しよう。
基礎控除額とは、相続税がかからない非課税枠のことです。遺産総額がこの金額を1円でも超えると、相続税が課税されます。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算され、相続人が配偶者と子ども2人のご家庭では4,800万円となります。退職金や預貯金、自宅を合わせると、特別な資産家でなくても5,000万円を超えることは珍しくありません。さらに、不動産は時価ではなく相続税評価額で計算されるため、実際の価値との差に注意が必要です。評価方法や計算の仕組みを理解しておくことが大切です。生命保険金や死亡退職金も条件によっては課税対象となるため、総額の把握が欠かせません。公務員世帯にとっても、この基礎控除額の水準は重要なポイントです。
基礎控除額の計算方法
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人数
遺産総額が上記を超えると、相続税が発生します。
相続人3人の場合基礎控除額4,800万円
※その他、特例など様々な制度があります。
2. 退職金の財産割合を把握しよう。
贅沢をせず、慎ましく暮らしてきたから、自分には相続税は関係ないと考える方が多くいます。しかし、定年退職を迎え、退職金や自宅の評価額が明らかになることで、思いがけず相続税の対象となるケースもあります。退職金は、公務員世帯の相続において大きな割合を占める資産のひとつです。定年退職時の退職金は2,000万円を超えることもあり、これだけで基礎控除額の半分近くを占める場合があります。さらに、これまでの貯蓄や生命保険を合わせると、現金資産だけで3,000万円を超えることも珍しくありません。加えて、持ち家の評価額や共済制度の給付なども考慮すると、総額はさらに膨らむ可能性があります。大切なのは、退職金を含めた資産全体を把握し、早めに整理しておくことです。
出典元|国税庁「No.4102 相続税がかかる場合」
出典元|国税庁「No.4152 相続税の計算」
出典元|国税庁「No.4117 相続税の課税対象になる死亡退職金」
出典元|人事院資料「国家公務員の退職手当制度の概要」
出典元|内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況(令和6年度退職者)」
3. 自宅が相続に与える影響を考えよう。
都市部や地方中核都市で一戸建てを所有している場合、土地と建物の評価額が2,000万円〜4,000万円を超えることも珍しくありません。ここに退職金や預貯金が加わると、資産総額は基礎控除額を上回ります。例えば、退職金と預貯金が3,500万円、自宅の評価額が2,500万円の場合、合計6,000万円となり、相続人が3人でも1,200万円が課税対象となります。ごく一般的な持ち家であっても、相続税に影響する可能性があることを意識しておきましょう。早めの確認が将来の安心につながります。
国税庁「令和7年分 路線価」
仙台市の住宅地の平均路線価:約35万円/坪
50坪の土地を所有している場合:35万円 × 50坪 = 約1,750万円
出典元|国税庁「令和7年分 財産評価基準書(路線価図)」をもとに当社算出
公務員の相続では、基礎控除額、退職金、自宅不動産の評価額という3つの課題が、相続税の判断や今後の備えに大きく関わってきます。どれも一つひとつは特別なものではなく、まじめに働き、堅実に暮らしてきたご家庭であれば十分に起こりうる内容です。だからこそ、「うちは大丈夫だろう」と思い込まず、財産の全体像を早めに確認しておくことが大切です。事前におおよその状況を把握しておくだけでも、将来の不安を減らし、ご家族の負担を軽くすることにつながります。
少しでも気になる点がある場合は、相続税や不動産評価を含めて総合的に確認できる専門家に相談し、早めに準備を進めておくことをおすすめします。
関連資料|公務員相続のご案内(PDF)
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公務員の相続では、預貯金や自宅不動産、退職金といった分かりやすい財産だけでなく、共済制度や年金、地価の変動など、公務員世帯ならではの見落としやすいポイントにも注意が必要です。実際には、「把握しにくい財産がある」「相続税の対象だと思っていたものがそうではない」「逆に見落としてはいけない課税対象がある」といった誤解が、申告漏れや手続きの遅れにつながることもあります。
特に、相続税や所得税、公的年金の扱いは制度ごとに整理が異なるため、一般的なイメージだけで判断しないことが大切です。ここでは、公務員相続で特に気をつけたい注意点を項目ごとに整理して見ていきましょう。

公務員相続の主な注意点
1. 共済貯金は見落としやすい
公務員相続で特に注意したいのが、共済貯金の存在です。一般の銀行預金と異なり、家族が普段から把握していないことも多く、銀行照会だけでは見つからない場合があります。そのため、通帳やキャッシュカードが見当たらなくても安心せず、給与明細や共済組合からの通知、退職後の振込記録なども確認することが大切です。こうした確認が不十分だと、相続財産の把握漏れが起こり、結果として申告漏れのリスクにつながります。共済貯金は「見えにくい財産」であることを意識して調べる必要があります。
2. 未支給年金は相続税の対象ではない
亡くなった方が本来受け取るはずだった年金を、遺族が請求して受け取る「未支給年金」は、相続財産だと思い込まれやすいものです。しかし、国税庁は、未支給年金は相続税の課税対象にはならないと案内しています。未支給年金は、一定の遺族が自己の権利として請求するものであり、遺産分割の対象として扱うものではありません。なお、受け取った未支給年金は、その遺族の一時所得に該当します。相続税と所得税で取り扱いが異なるため、ここを混同しないことが大切です。
出典元|国税庁「未支給の国民年金に係る相続税の課税関係」
出典元|国税庁「No.1605 遺族の方に支給される公的年金等」
3. 年金受給権は一部が課税対象になることがある
「年金はすべて非課税」と思われることがありますが、年金受給権の内容によっては相続税の対象になる場合があります。国税庁は、個人年金保険などで、亡くなった方が保険料を負担していたケースでは、年金受給権を相続により取得したものとして相続税の課税対象になると示しています。
一方で、遺族年金や未支給年金のように、制度上、遺族の固有の権利として扱われるものは別の整理になります。つまり、「年金」という名前が付いていても、すべてが同じ扱いになるわけではありません。どの制度に基づくものかを確認しながら判断することが重要です。
出典元|国税庁「No.4123 相続税等の課税対象になる年金受給権」
出典元|国税庁「No.1620 相続等により取得した年金受給権に係る生命保険契約等に基づく年金の課税関係」
出典元|国税庁「No.1605 遺族の方に支給される公的年金等」
4. 仙台では地価の上昇にも注意が必要
仙台では地価の上昇傾向が続いており、自宅の土地評価が想像以上に高くなることがあります。国土交通省の令和7年地価公示では、地方四市の一つである仙台市について、住宅地の上昇基調が続いていることが示されています。こうした動きの中では、「ごく一般的な持ち家」と思っていても、土地の評価額だけで基礎控除額に近づいたり、ほかの財産と合わせて基礎控除額を超えたりする可能性があります。特に仙台市内でも利便性の高い地域では、土地の評価が相続税に与える影響を軽く見ないことが大切です。
宮城県「令和7年地価公示」
宮城県「市町村別・用途別平均価格及び平均変動率」
5. 公務員の資産は「見えにくいが把握されやすい」
公務員の相続では、資産が派手に見えない一方で、実際には給与、退職金、年金などの情報が整理されており、税務上の確認対象になりやすい面があります。特に、退職金や公的年金に関連する情報は制度上記録が残りやすく、「現金や預金だけを見ればよい」というものではありません。国税庁も、未支給年金や相続税の対象となる年金受給権、遺族年金などの取り扱いを個別に示しており、公的制度に関係する財産は、性質ごとに整理して申告・確認する必要があります。公務員世帯の財産は、目立たないからこそ見落としやすい一方、制度上の記録から把握されやすい面があることを意識しておくべきです。
出典元|国税庁「未支給の国民年金に係る相続税の課税関係」
出典元|国税庁「No.4123 相続税等の課税対象になる年金受給権」
出典元|国税庁「No.1605 遺族の方に支給される公的年金等」
このように、公務員相続では、共済貯金のように見落としやすい財産がある一方で、未支給年金や遺族年金、年金受給権のように、制度ごとに税務上の扱いが異なるものもあります。
さらに、仙台のように地価が上昇している地域では、自宅の土地評価が想定以上に相続税へ影響することもあります。見た目には堅実で分かりやすい財産構成に見えても、実際には細かな確認が欠かせません。
少しでも不安がある場合は、自己判断で進めず、相続税や年金・共済制度まで含めて確認できる専門家に早めに相談することが大切です。
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