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代償分割・換価分割など、不動産売却の譲渡所得税を解説します。

相続不動産

佐藤 智春

不動産売却時の譲渡所得税とは

親や親族が亡くなった際に相続する遺産の中でも、特に扱いに困るのが故人が生前に所有していた不動産です。

相続によって取得した不動産を売却し利益が発生した場合、その利益は譲渡所得と呼ばれ、所得税や住民税の課税対象となります。この税金は譲渡所得税と呼ばれますが、その扱いは単純ではなく非常にわかりにくい税金の一つです。

相続した土地や建物を売却したものの、税金についてよく理解していなかったためにトラブルになるケースもあります。そうした事態を避けるために、本記事では譲渡所得税の仕組みを分かりやすく解説します。まずは「譲渡所得税」とは何かを正しく理解しましょう。

譲渡所得税とは?
不動産を売却して得た売却益は譲渡所得と呼ばれ、その譲渡所得に対して課税される税金が譲渡所得税です。「所得税」という名称のとおり、給与所得や事業所得と同じように、利益(売却益)が大きいほど納税額も増える仕組みになっています。また、譲渡所得税は、単純に売却して得た代金全体に課税されるものではなく、売却によって生じた利益(譲渡所得)に対して課税されます。

 


 

代償分割・換価分割の違い

相続財産の分割方法には、代償分割と換価分割の二種類があり、それぞれ課税対象者や申告する財産額が異なります。この分割方法の違いによって、譲渡所得税の取り扱いも変わるため、事前に理解しておくことが重要です。

1.代償分割とは?
相続人の一人が不動産を相続し、他の相続人に代償金(現金)を支払う方法です。

2.換価分割とは?
相続人全員で相続した不動産を売却し、売却代金を分配する方法です。

 


 

ケース① 分割方法が代償分割の場合

不動産を売却せずに相続人の間で所有権を調整するため、「譲渡」には該当しません。そのため、譲渡所得税は発生しません。しかし、代償金を支払う相続人が、その資金を準備するために不動産を売却する場合、その売却益に対して譲渡所得税が発生する可能性があります。

その場合には、相続で不動産を取得したその人一人の所得として所得税の申告納税が必要です。その他の代償金の支払いを受けた相続人に所得税の申告は必要ありません。

 


 

ケース② 分割方法が換価分割の場合

相続人全員で相続した不動産を売却し、その売却代金を分配するため、譲渡所得税が発生します。この場合、売却した不動産の所有者(相続人)が課税対象となります。不動産の所有期間によって、税率が異なるなど注意が必要です。

相続で取得した場合の所有期間は、相続で取得してからの期間ではなく、亡くなった被相続人がその不動産を取得した時からの期間となるため、ほとんどの場合には長期譲渡となり低い税率となります。

不動産の取得から売却まで知っておくべき税金の知識

 


 

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譲渡所得税がかからない例

相続した不動産を売却した際、売却損が発生した場合や、特別控除を利用できる場合には、譲渡所得税がかからない、または大幅に軽減されることがあります。以下のような特例を活用することで、税負担を抑えることが可能です。

1.マイホーム(居住用財産)の3,000万円特別控除
相続した不動産が被相続人の居住用財産(マイホーム)であり、一定の条件を満たす場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です。

2.相続空き家の3,000万円特別控除
相続した家が被相続人が一人暮らしをしていた空き家だった場合、売却時に3,000万円の特別控除を受けられる制度。

3.相続税の取得費加算の特例
相続した不動産を売却した場合、支払った相続税の一部を取得費(経費)として譲渡所得から差し引くことができる特例。

4.取得費が売却価格を上回る(売却損が出る)
不動産を売却した際に、取得費+売却にかかった経費が売却価格を上回った場合、譲渡所得は発生しないため税金もかからない。

5.配偶者に売却(みなし譲渡に注意)
配偶者や同じ相続人に不動産を売却した場合、基本的には譲渡所得税は発生しない。

6.低額譲渡(贈与税との関係)
親族間で相場よりも大幅に安い価格で不動産を売却した場合、譲渡所得税は抑えられる可能性がある。

 


 

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相続不動産を適正売却するために

不動産の売却は、ほとんどの方にとって人生で何度も経験するものではありません。そのため、専門的な言葉や法律、税制の仕組みが分かりにくく、税制の仕組みや控除・特例などを理解し、最適な方法を選択することが重要です。

故人から受け継いだ土地や建物は、残された家族や親族にとって思い出深い、大切な財産です。せっかく受け継いだ資産を有効に活用するためにも、不動産の適正な価値を判断し、慎重に売却の計画を立てることが大切です。

不動産の相続から売却完了までの流れ

 


 

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[監修]

佐藤 智春代表 税理士・行政書士

経歴:仙台大原簿記専門学校卒業後、宮城県で最年少税理士登録。20年以上の実務経験を持ち相続専門税理士として数多くの案件を手がける。(2024年相続税申告実績/222件) 相続専門税理士佐藤智春は税理士の日(2月23日)に産まれ、二次相続はもちろん、三次相続までサポートできます。多くの案件をこなしているからこそ三次相続まで見据えた遺産の分け方を提案しています。

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