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「遺贈により取得したもの」 とみなされる場合の注意点

遺言

佐藤 智春

相続で失敗しないために:孫が受取人の場合の注意点

相続は正しい知識を持たないと、思わぬ税負担が発生することがあります。今回は、被相続人が孫を死亡保険金の受取人に指定していたことで生じた相続税の失敗事例をもとに、注意点と対策について解説します。

失敗事例の概要

被相続人である祖父が、孫を死亡保険金の受取人に指定し、さらに相続開始前の3年間に毎年100万円ずつ暦年贈与を行っていました。この場合、以下の問題が生じました:

1. 死亡保険金が相続財産に含まれる

孫は相続人に該当しないため、「遺贈による死亡保険金取得」とみなされます。そのため、この保険金は相続税の計算上、相続財産に含まれます。

さらに、相続人のみが適用できる生命保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)も適用されません。

2. 贈与財産が相続財産に加算される

遺贈による財産取得がある場合、相続開始前3年以内の贈与財産も相続財産に加算されます。令和6年以降は、この遡及期間が順次延長され、最大7年まで遡ることになります。

3. 相続税額が2割加算

孫は相続人に該当しないため、相続税額の2割加算の対象となります。これは、一親等以外の血族や相続人以外が相続または遺贈で財産を取得する場合に適用されます。

4. 未成年者控除が適用されない

孫が未成年であっても、法定相続人に該当しないため、未成年者控除(10万円×(18歳-相続時の年齢))の適用を受けることができません。

相続税対策の重要性

相続税が発生する場合、対策を間違えると余計な税負担を抱えることになります。特に孫を受取人とする場合は、生命保険の非課税枠が使えない、2割加算の対象になるなど、さまざまな不利な条件が重なるため、慎重な計画が必要です。

適切な相続対策を行うために

相続税対策を成功させるには、以下のポイントを検討しましょう:

  • 受取人を誰にするかを慎重に検討する。
  • 暦年贈与を行う場合は、遡及期間を考慮して計画的に進める。
  • 専門家に相談し、非課税枠や控除の適用可否を確認する。

まとめ

  • 孫を受取人に指定した場合の注意点:非課税枠が使えず、2割加算の対象になる。
  • 暦年贈与:相続開始前3年以内の贈与財産が相続財産に加算される。
  • 専門家の助けが必要:相続税の計算や対策は複雑であり、専門家のアドバイスを受けることが重要。

相続税に関する判断は非常に難しいため、ぜひ専門家に相談してください。当サロンでは、相続アドバイザーがお客様のお悩みをお聞きし、各専門家へご紹介することでスムーズな解決をサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

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[監修]

佐藤 智春代表 税理士・行政書士

経歴:仙台大原簿記専門学校卒業後、宮城県で最年少税理士登録。20年以上の実務経験を持ち相続専門税理士として数多くの案件を手がける。(2023年相続税申告実績/179件) 相続専門税理士佐藤智春は税理士の日(2月23日)に産まれた40歳です(2024年現在)。若いからこそ、二次相続はもちろん、三次相続までサポートできます。多くの案件をこなしているからこそ三次相続まで見据えた遺産の分け方を提案しています。

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