相続税申告
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一般のお客様から相続サポートしている人まで幅広く役立つ相続に関する知識をわかりやすくご紹介しています。
佐藤 智春
「相続税申告は、亡くなった日の預金残高を調べればよい」と考える方は少なくありません。確かに残高証明書は必要ですが、死亡日の残高だけで正しい申告ができるとは限りません。亡くなる前に多額の預金が引き出されていた場合、そのお金が医療費や介護費に使われたのか、現金として残っていたのか、家族の口座へ移されたのかによって、相続税の取り扱いは変わります。
国税庁によると、令和6年分の相続税申告書の提出に係る被相続人数は、相続税額のある申告が166,730人、税額のない申告が39,755人で、合計206,485人でした。一方、令和6事務年度の相続税の実地調査は9,512件で、単純比較するとおよそ22件に1件の規模(全国的な規模を示す目安)です。さらに、電話や文書、来署依頼などによる「簡易な接触」も21,969件行われており、実地調査の件数を大きく上回っています。
近年、国税当局はAIや機械学習を活用し、申告・決算情報、各種資料、過去の調査事績などを分析して、申告漏れの可能性が高い案件を効率的に抽出しています。相続税の確認では、被相続人の所得や預金の動き、家族名義の財産などと申告内容に矛盾がないかが重要になります。
相続税の税務調査は、一部の資産家だけの問題ではありません。ここからは、税務調査の基本的な仕組み、税務調査されやすいケース、税務調査リスクを抑えるための対策を解説します。
出典元|国税庁「令和6年分相続税の申告事績の概要」
出典元|国税庁「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」
出典元|国税庁「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション」
相続税の税務調査とは、提出した相続税申告書の内容が正しいかを、税務署や国税局が確認する手続きです。相続人が知らなかった預金口座や生命保険などが後から見つかったり、土地の評価、生前贈与、名義預金の判断を誤ったりすることで、申告漏れが生じる場合があります。
税務署は申告書だけでなく、過去の所得や不動産、保険、預金取引などの情報も照らし合わせ、財産の漏れや計算の誤りがないかを確認します。ここでは、相続税の税務調査の基本と、調査の流れ、確認される内容について解説します。

一般的な相続税の税務調査
相続税の実地調査は、原則として事前に日時や場所、対象となる税目、課税期間、調査の目的などが通知されます。調査では、相続人への聞き取りのほか、通帳や取引履歴、契約書などを確認し、申告内容に誤りや財産の漏れがないかを調べます。税務署から必要な資料の提示や提出を求められた際、正当な理由なく拒否したり、虚偽の資料を提出したりすると、罰則の対象となる場合があります。
ただし、通常の税務調査は、裁判所の令状に基づいて強制的な捜索や差押えを行う査察調査(強制調査)とは異なります。資料の提示・提出や一時的な預かりは、その必要性を説明したうえで、納税者の理解と協力を得ながら行われます。なお、税務署が資料を一時的に預かる場合は、納税者に対して「預り証」が交付されます。
税務調査で確認される内容
税務署は、相続税申告書だけでなく、被相続人の所得や預貯金、不動産などの情報を照らし合わせ、財産の漏れや不自然な点がないかを確認します。主な確認項目は、次のとおりです。
1. 被相続人の過去の所得
給与や事業所得、不動産所得、配当所得などから、どの程度の財産を形成できたのかを確認します。長年にわたり多額の収入があったにもかかわらず、申告された財産が極端に少ない場合は、その差額を何に使ったのか確認されることがあります。
2. 預貯金の残高と入出金履歴
死亡日の残高だけでなく、過去の多額の出金や口座間の資金移動、家族名義の口座への送金なども確認の対象になります。特に、亡くなる前に大きなお金が動いている場合は、その使い道を説明できる資料が重要です。
3. 不動産の所有状況と売却履歴
所有していた土地や建物が漏れなく申告されているか、評価額が適切かを確認します。過去に不動産を売却している場合は、売却代金の使い道や移動先も確認されることがあります。
4. 死亡保険金や死亡退職金
被相続人が保険料を負担していた死亡保険金や、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定した死亡退職金などは、相続税の対象となる「みなし相続財産」に該当する場合があります。相続人が受け取った死亡保険金や死亡退職金には、それぞれ「500万円×法定相続人の数」を基に計算する非課税限度額がありますが、限度額を超える部分は相続税の課税対象になります。
5. 家族名義の預金や証券
配偶者や子どもの名義であっても、資金の出どころや管理状況によっては、実質的に被相続人の財産(名義預金など)と判断される可能性があります。口座の名義だけでなく、誰が資金を出し、誰が管理し、誰が自由に使用できたのかが重要です。
税務調査の一般的な流れ
1. 税務署からの事前通知
実地調査は、原則として事前に電話で通知されます。調査の日時や場所、対象となる税目・課税期間、調査の目的などが伝えられます。通知の時期に一律の決まりはありませんが、納税者が調査の準備をできるよう、相当の時間的余裕をもって連絡するとされています。相続税申告を税理士に依頼している場合、税務代理権限証書に事前通知を税理士へ行うことについての同意が記載されていれば、税理士に通知されます。同意の記載がない場合は、原則として納税者と税理士の双方に通知されます。
2. 申告書と関係資料の再確認
事前通知を受けた後は、提出した相続税申告書と、その作成に使用した資料を再確認します。準備する資料は調査内容によって異なりますが、主なものは次のとおりです。
・相続税申告書一式
・遺産分割協議書
・被相続人の預貯金通帳や取引履歴(過去5〜10年分が目安)
・相続人や家族名義の口座に関する資料
・不動産の登記事項証明書や評価資料
・生命保険金や死亡退職金に関する資料
・株式や投資信託などの取引資料
・生前贈与契約書や贈与税申告書
・多額の出金の使い道を示す領収書や契約書
・借入金、未払金、葬儀費用などの資料
申告漏れや計算ミスに気付いた場合は、自己判断で修正せず、税理士へ相談することが大切です。税務署からの連絡が「税務調査」なのか、申告内容の自主的な見直しを求める「行政指導」なのかによって、加算税の取り扱いが異なる場合があります。税務署は、具体的な手続きに入る前に、どちらに該当するかを明示するとしています。
3. 相続人への質問と資料の確認
調査当日は、申告書や関係資料の確認とともに、被相続人や財産の管理状況について質問を受けます。主な質問内容は次のとおりです。
・被相続人の職業や収入
・財産を管理していた人
・通帳、印鑑、キャッシュカードの保管場所
・被相続人の趣味や生活状況
・生前贈与の有無
・多額の預金を引き出した理由
・家族名義の預金が形成された経緯
・入院や介護施設への入居状況
・自宅の金庫や貸金庫の有無
・親族や知人への貸付金の有無
趣味や生活状況など、一見すると相続税に関係がないように思える質問もあります。しかし、ゴルフ会員権や美術品、骨董品など、申告されていない財産を確認する手掛かりになることがあります。また、通帳や印鑑を誰が管理していたかは、家族名義の預金が実質的に誰の財産だったのかを判断する材料になります。
4. 調査結果の説明
調査の結果、申告内容に問題がなければ、その旨が通知されます。申告漏れや評価の誤りが確認された場合は、税務署から問題点や金額について説明を受け、原則として修正申告を勧められます。修正申告を行わない場合には、税務署が更正などの処分を行うことがあります。
税務署は曖昧な説明を見逃さない
税務調査では、資料だけで判断できない点について、同じ内容を角度を変えて質問されることがあります。推測やあやふやな記憶に頼って答えてしまうと、後に提出する資料との間に矛盾が生まれ、税務署からの信頼を損なう恐れがあります。分からない場合は無理に答えず、「資料を確認して後日回答します」と伝えることが大切です。
また、署名や修正申告を求められた場合は、その場で即断せず、内容を十分に確認しましょう。事実と異なる点があれば訂正を求め、判断に迷う場合は税理士へ相談することをおすすめします。
相続税の申告漏れが見つかった場合
税務調査で申告漏れが判明すると、本来納めるべき相続税を追加で納付します。さらに、納付が遅れた期間や申告漏れの状況に応じて、延滞税や加算税が課されることがあります。
1. 延滞税
相続税を法定納期限までに納付しなかった場合に、原則として法定納期限の翌日から納付日までの日数に応じて課されます(一種の利息のようなものです)。
2. 過少申告加算税
期限内に申告したものの、申告した税額が本来納めるべき税額より少なかった場合に課されることがあります。税務署から税務調査の「事前通知(連絡)」を受ける前に、納税者自ら誤りに気付いて自主的に修正申告を行った際には、過少申告加算税は課されません。
一方、事前通知を受けた後から実際の調査が始まるまでの間に修正した場合には5%(※)、実際の調査が始まって指摘を受けてから修正へと至った場合には10%から15%(※)の割合で加算税が課税されることになります。
(※期限内に申告していた税額、または50万円のいずれか多い金額を超える部分については、それぞれさらに5%が上乗せされます)
3. 無申告加算税
相続税の申告が必要であるにもかかわらず、期限内に申告しなかった場合に課されることがあります。自主的に期限後申告を行った時期や、過去の無申告の状況などによって取り扱いが異なります。
4. 重加算税
財産を意図的に隠したり、事実を仮装(通帳を隠す、嘘の契約書を作るなど)したりしたと認められた場合に、過少申告加算税や無申告加算税に代えて課される、より重い加算税です(税率は35%〜40%)。単なる計算間違いや見落としと、意図的な財産隠しでは、税務上の取り扱いが大きく異なります。判断に迷う財産がある場合は、安易に申告から外さず、事実関係と資料を整理したうえで、相続税に詳しい税理士へ相談することが大切です。
出典元|国税庁「税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)」
通常の税務調査は、令状に基づく強制的な捜索や差押えではありません。ただし、税務署は申告書だけでなく、過去の所得や預貯金の動き、不動産、保険、家族名義の財産なども確認します。そのため、申告時点で財産額や多額の出金、家族名義の預金について、客観的な資料に基づいて説明できる状態にしておくことが重要です。
これから相続税申告をする方はもちろん、すでに税務署から連絡を受けている方や、提出した申告書の内容に不安がある方は、回答や修正を行う前に、相続税申告や税務調査への対応経験がある税理士へ相談しましょう。
みらいえ相続グループでは、東京・仙台を拠点に、相続の専門家が、対面やオンラインでのご相談にも対応しております。まずは、お気軽にご相談ください。
税務署が確認するのは、死亡日時点の財産額だけではありません。被相続人の過去の収入や預貯金の入出金、不動産・株式の売却代金、家族名義の財産が形成された経緯なども照らし合わせます。たとえば、収入に比べて申告財産が極端に少ない、多額の預金を引き出した後の使い道が分からない、家族の収入では形成しにくい預金があるといった場合は、その理由を確認される可能性があります。税務署は、財産がどのように形成され、どこへ移ったのかという流れから、申告内容に漏れや矛盾がないかを調べます。ここでは、税務署から疑問を持たれやすい代表的なケースを紹介します。

ケース1
亡くなる前に多額の預金が引き出されている
税務調査で確認されやすいのが、亡くなる前の多額の出金です。例えば、死亡の2年前に1,000万円が引き出されているにもかかわらず、使い道を示す資料がなく、現金や購入した財産も申告されていない場合、そのお金の行方を確認される可能性があります。
現金を引き出すこと自体に問題はありません。重要なのは、その使い道や、死亡時に財産として残っていなかったことを資料で説明できるかどうかです。領収書や振込記録などを残しておくことが大切です。
ケース2
家族名義の預金が、本人の収入に比べて多い
配偶者や子どもの名義であっても、実質的に被相続人が所有していた預金は、相続財産に含める必要があります。一般に「名義預金」と呼ばれるものです。
例えば、収入のない配偶者名義の口座に多額の預金があり、被相続人が資金を出して通帳や印鑑も管理していた場合は、被相続人の財産と判断される可能性があります。口座の名義だけでなく、誰が資金を出し、管理し、自由に使用できたのかが重要です。
ケース3
生前の収入に比べて申告財産が少ない
被相続人が長年にわたり多額の収入を得ていたにもかかわらず、申告財産が不自然に少ない場合は、財産が減った理由を確認される可能性があります。医療費や介護費、借入金の返済などを考慮しても財産が少なければ、申告されていない預貯金や手元現金、家族への資金移動などがないかを調べられることがあります。
税務調査に備えるには、死亡日の財産額だけでなく、生前の所得から死亡時の財産に至るまでの流れを、資料に基づいて説明できることが重要です。
ケース4
不動産や株式の売却代金が見当たらない
被相続人が亡くなる数年前に不動産や株式を売却し、多額の代金を受け取っていたにもかかわらず、死亡時の財産が少ない場合は、その資金の行方を確認される可能性があります。例えば、土地を5,000万円で売却した後、預金が1,000万円しか残っていなければ、残りの使い道を確認する必要があります。
財産が減ったこと自体に問題があるわけではありません。重要なのは、売却代金の使い道や移動先を、通帳や売買契約書、領収書などの資料で説明できることです。
ケース5
生前贈与の書類と実態が一致していない
生前贈与は、贈与契約書を作成しただけで認められるとは限りません。例えば、親が子ども名義の口座へ入金していても、子どもが口座の存在を知らず、通帳や印鑑を親が管理していた場合は、実質的に親の財産と判断される可能性があります。
重要なのは、契約書の有無だけでなく、誰が資金を出し、誰が管理し、受贈者が自由に使える状態だったかという実態です。なお、贈与税の申告有無だけで、贈与の成立が決まるわけではありません。
※税制改正により、生前贈与を相続財産に持ち戻して課税対象とする期間が、段階的に「亡くなる前3年以内」から「7年以内」へと延長されています。生前贈与を活用した相続税対策を行う際は、より長期的な視点でのデータ管理と、正しい贈与の実態づくりが不可欠です。
ケース6
タンス預金や貴金属などが申告されていない
銀行口座から現金を引き出しても、その現金が相続財産でなくなるわけではありません。死亡時に自宅の金庫やタンス、貸金庫などに残っていれば、相続財産として申告する必要があります。
現金のほか、金地金や宝石、美術品、高額な時計、自動車、貸付金、暗号資産なども申告の対象となる可能性があります。税務調査では、預金の出金履歴や購入記録から、申告されていない財産がないか確認されることがあります。
ケース7
土地の評価額や特例の根拠が不十分
土地の相続税評価は、路線価と面積を掛けるだけではありません。土地の形状や道路との接し方、利用状況などに応じて補正が必要になるため、公図や測量図、現地写真など、評価の根拠となる資料をそろえておくことが重要です。
小規模宅地等の特例も、宅地の利用状況や取得者、申告期限までの保有状況など、区分ごとに要件が異なります。特例によって相続税がゼロになる場合でも、原則として申告書と必要書類の提出が必要です。
ケース8
海外に預金や証券、不動産などがある
海外にある財産も、原則として相続税の対象です。ただし、被相続人や相続人の住所、国籍などによって、課税対象となる範囲が異なる場合があります。国税当局は、CRSによる金融口座情報や租税条約等に基づく情報交換制度を活用し、海外資産の把握を進めています。
海外の預貯金や有価証券、不動産などは、所有関係や評価方法が複雑になりやすく、相続人が知らないまま申告から漏れることもあります。海外送金の記録や金融機関の明細、契約書、メールなどを確認し、早めに財産の全体像を把握することが重要です。
出典元|国税庁「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」
出典元|国税庁「相続税の申告のしかた」
出典元|国税庁「No.4105 相続税がかかる財産」
出典元|国税庁「No.4402 贈与税がかかる場合」
出典元|国税庁「No.4602 土地家屋の評価」
出典元|国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」
相続税の申告漏れは、財産を意図的に隠した場合だけに起こるものではありません。財産の存在を知らなかった、家族名義の預金を家族自身の財産だと思っていたなど、悪意がなくても申告から漏れることがあります。多額の出金や家族名義の預金、生前贈与、不動産、海外財産がある場合は、早めに事実関係と資料を整理することが重要です。
「過去のお金の動きが分からない」「贈与として認められるか不安」といった場合は、申告前にみらいえ相続グループへご相談ください。相続の専門家が状況を整理し、適切な申告をサポートします。
みらいえ相続グループでは、東京・仙台を拠点に、相続の専門家が、対面やオンラインでのご相談にも対応しております。まずは、お気軽にご相談ください。
相続税を正しく申告していても、税務調査を受ける可能性を完全になくすことはできません。重要なのは、申告内容に疑問を持たれにくい、整合性のある申告書を作成し、確認を受けた際に根拠資料を示せる状態にしておくことです。財産を漏れなく把握し、預金の動きや家族名義の財産、生前贈与、土地評価などを整理して、根拠を説明できる申告を行うことが大切です。ここでは、税務調査のリスクを抑えるために行っておきたい対策と税理士選びのポイントをご紹介します。

対策1
財産と債務を網羅的に棚卸しする
まず、被相続人が所有していた財産と債務を一覧にまとめます。預貯金や不動産だけでなく、株式、投資信託、生命保険金、死亡退職金、貸付金、貴金属、自動車、暗号資産、海外財産なども確認します。家族名義であっても、実質的に被相続人が資金を出し、管理していた財産には注意が必要です。
債務については、借入金のほか、未払医療費や未払税金、買掛金、敷金・保証金の返還義務なども確認します。通帳や登記関係書類に加え、郵便物、メール、スマートフォンのアプリ、確定申告書、固定資産税の通知書なども手掛かりになります。家族間で情報を共有し、複数人で確認することも大切です。
対策2
死亡日の残高だけでなく、過去の預金履歴を確認する
死亡日の残高証明書だけでは、過去の多額の出金や口座間の資金移動までは把握できません。必要に応じて取引履歴を取得し、現金の引き出し、家族名義口座への送金、定期預金の解約、不動産の売却代金や保険金の入金などを確認します。
通帳が残っていなくても、金融機関から取引履歴を取得できる場合があります。複数の口座がある場合は、資金が別の口座へ移されていないか、日付や金額を照合し、多額の出金について説明できる資料をそろえておきましょう。
対策3
多額の出金について「使途一覧表」を作る
多額の出金がある場合は、日付、金額、使い道、支払先、裏付け資料を一覧にまとめます。介護施設の入居費であれば領収書、自宅の改修費であれば契約書や振込記録、贈与であれば贈与契約書や送金記録を確認します。
領収書が残っていない支出も、出金時期や金額、当時の生活状況から分かる範囲で整理しましょう。すべての使い道を明らかにできなくても、確認した内容と資料をまとめておくことで、申告内容を説明しやすくなります。
対策4
家族名義の財産を口座ごとに確認する
家族名義の預金については、「家族名義だから相続財産ではない」と決めつけず、口座ごとに資金の出どころや管理状況を確認します。口座を開設した人、通帳や印鑑、キャッシュカードを管理していた人、名義人が自由に使えたかなどを整理することが重要です。
家族本人の収入から形成された預金であれば、給与明細や確定申告書、入金記録などを確認します。被相続人から贈与された財産であれば、贈与契約書や振込記録などが判断材料になります。口座ごとに、財産が形成された経緯と管理の実態を確認しましょう。
対策5
生前贈与は、書類と管理の実態を整える
生前贈与を行う場合は、贈与者と受贈者の意思を明確にし、銀行振込などで資金移動の記録を残します。贈与契約書には、贈与日、金額、贈与者、受贈者などを記載しておきましょう。
ただし、契約書を作成するだけでは十分ではありません。贈与後は、受贈者本人が財産を管理し、自由に使える状態にすることが重要です。また、税制改正により、亡くなる前最大7年間の贈与は相続財産に足し戻して計算する必要があるため、過去の贈与契約書や贈与税申告書の履歴も漏れなく整理しておきましょう。 贈与税の申告が必要な場合は期限内に行い、将来の生活資金や相続時の取り扱いも含めて検討しましょう。
対策6
土地評価と特例の根拠資料を残す
土地の評価額を調整する補正や、小規模宅地等の特例を適用する場合は、判断の根拠を第三者が確認できる資料として残します。路線価図、公図、地積測量図、登記事項証明書、現地写真、賃貸借契約書、道路や都市計画に関する資料などをそろえましょう。
不整形地や無道路地、高低差のある土地などは、現地確認や役所調査が必要になる場合があります。評価額を下げる要因だけでなく、加算が必要な要因や、利用状況ごとに分けて評価する必要がないかも確認し、土地の現況と税法に基づいた説明可能な評価を行うことが大切です。
対策7
判断が難しい事項には説明資料を添付する
相続税申告で判断が分かれやすい事項がある場合は、説明資料を添付し、判断の根拠を明らかにしておく方法があります。特に、税理士が申告書の作成プロセスや確認内容を保証する「書面添付制度(税理士法第33条の2に規定する書面)」を活用すると効果的です。この書面を添付して申告すると、税務署は調査を行う前にまず税理士に意見を聴取(意見聴取)しなければならず、疑問がそこで解決すれば、実際の税務調査(実地調査)が省略される可能性が格段に高まります。
被相続人の財産ではないと判断したものや、多額の借入金・債務を計上した場合も、契約書や取引記録を添えると説明しやすくなります。何をどの程度記載するかは、財産の内容や判断の難しさに応じて、税理士と相談しながら検討しましょう。
対策8
相続税申告に精通した税理士へ依頼する
税理士にはそれぞれ得意分野があり、すべての税理士が日常的に相続税申告を扱っているわけではありません。相続税申告では、名義預金や生前贈与、土地評価、非上場株式、海外財産などについて専門的な判断が求められます。依頼先を選ぶ際は、報酬だけでなく、申告実績や預金履歴の確認範囲、土地調査、説明資料の作成、税務調査への対応経験なども確認しましょう。
申告後も、申告書や財産評価資料、預金履歴、贈与契約書などは整理して保管します。新たな財産や誤りが見つかった場合は放置せず、早めに税理士へ相談することが大切です。修正の時期や、税務署からの連絡が行政指導か税務調査かによって、加算税の取り扱いが異なる場合があります。
相続税申告を依頼する税理士の選び方
税理士にも、それぞれ専門分野や得意分野があります。法人税務を中心に扱う税理士と、相続税を専門とする税理士では、預金調査や生前贈与、土地評価などに関する経験や確認の視点が大きく異なります。全国の相続税申告件数を税理士登録者数で単純に割ると、税理士1人当たりの申告件数は年間約2件です。実際には相続税を専門とする税理士に依頼が集中しているため、相続税申告をほとんど扱わない税理士も少なくありません。
みらいえ相続税理士法人では、税理士1人当たり「年間180件以上」という、業界平均(年間約2件)を圧倒的に上回る豊富な相続税申告実績があります。依頼先を選ぶ際は、報酬だけでなく、申告実績や財産調査の範囲、土地評価、税務調査への対応経験なども確認することが大切です。
税務調査のリスクを抑えるには、財産と債務を正確に把握し、預金の動きや家族名義の財産、生前贈与、土地評価などについて、判断の根拠を資料として残すことが大切です。相続税申告は、税額を計算して提出するだけでなく、財産が形成された経緯や申告内容を客観的に説明できるようにしておく必要があります。
みらいえ相続グループでは、預貯金や不動産などの財産調査に加え、多額の出金、生前贈与、家族名義の預金、土地評価などを丁寧に確認し、申告後も根拠を説明できる相続税申告を目指します。「過去のお金の動きが分からない」「どの財産を申告すべきか判断できない」といった場合も、申告期限が近づく前に早めにご相談ください。
みらいえ相続グループでは、東京・仙台を拠点に、相続の専門家が、対面やオンラインでのご相談にも対応しております。まずは、お気軽にご相談ください。

相続の税理士選びは「どこに相談するか」がとても大切です。
最近では、ChatGPTなどのAI情報や税理士の比較サイトを参考に、相談先を決める方が増えています。また、国税出身・国税OBなどの肩書きに安心感を持つ方も少なくありません。
しかし、そうした情報や肩書きだけで判断してしまうのは非常に危険です。国税出身だからといって税務調査を避けられるわけではなく、特別なルートがあるわけでもありません。
だからこそ、ご自身の目で複数の事務所を比較し、しっかり納得したうえで税理士を選ぶことが大切です。みらいえ相続グループでは、ご契約前に丁寧なご説明を行い、お客様の不安や疑問にしっかり向き合うことを大切にしています。
相続税申告で大切なのは、期限内に申告書を提出し、税金を納めることだけではありません。預金の動きや家族名義の財産、生前贈与、土地評価などを丁寧に確認し、申告後に税務署から問い合わせを受けた場合でも、判断の根拠を資料に基づいて説明できる状態にしておくことが重要です。税理士を選ぶ際は、報酬の安さだけでなく、財産調査の範囲や相続税申告の実績、土地評価の経験、税務調査への対応体制なども確認しましょう。
みらいえ相続グループでは、相続税申告だけでなく、遺産分割、不動産、相続登記、二次相続、申告後の税務調査まで見据え、ご家族の状況に応じた相続を総合的にサポートします。「財産の全体像が分からない」「多額の出金や家族名義の預金がある」「生前贈与や土地評価に不安がある」「すでに税務署から連絡を受けている」といった場合は、自己判断で進める前に、相続に精通したみらいえ相続グループへご相談ください。
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