01相続における銀行解約の基礎知識

銀行口座の相続手続きとは
被相続人の口座凍結について

被相続人が亡くなると、その名義の銀行口座は凍結されます。銀行は、口座の不正利用や相続人間のトラブルを防ぐため、この措置を取ります。凍結されることで、口座からの引き出しや振込ができなくなり、公共料金の引き落としや給与振込などの定期的な取引も停止します。

口座凍結は、銀行が被相続人の死亡を知った時点で行われます。これは、死亡届が提出されるか、銀行に直接連絡があった際に実施されるのが一般的です。また、新聞のお悔やみ欄や葬儀場の情報などから死亡事実を知った場合でも、銀行が独自に凍結措置を取ることがあります。

口座凍結により、日常生活で必要な資金が使用できなくなる可能性があるため、相続人は早急に対応する必要があります。特に、葬儀費用や被相続人の未払い金の支払いなどがある場合は、別途資金を確保しておくことが重要です。なお、銀行によっては、葬儀費用の一部を相続手続き完了前に払い戻しできるケースもあります。この場合、請求に必要な書類(死亡診断書や請求書など)を事前に確認しておくとスムーズに進められます。

相続手続きが必要な預金の種類

銀行口座には、相続手続きが必要なさまざまな預金があります。口座の種類により手続きの詳細が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。

預金の種類 注意点
普通預金 給与振込口座、日常的な貯金口座 一般的に相続手続きの対象となり、残高確認が必要です。
定期預金 資産運用や貯蓄用口座 満期前でも解約可能ですが、銀行ごとに手続きが異なります。
外貨預金 外貨建ての預金口座 為替レートの影響を受けるため、解約タイミングを検討する必要があります。
総合口座 普通預金と定期預金の一体型口座 総合口座貸越がある場合、負債も確認する必要があります。
払戻請求の基本的な流れ

相続手続きによる口座解約では、以下のような基本的な流れを進めることが一般的です。必要な書類や各手順の詳細は、利用している銀行の規定を確認してください。

  1. 死亡の届出
    被相続人が亡くなったことを銀行に報告し、口座を凍結します。この際、死亡診断書や戸籍謄本を提出する必要があります。
  2. 相続手続きの書類準備
    戸籍謄本や遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書など、必要な書類を揃えます。
  3. 残高証明書の取得
    相続税の申告に必要となるため、残高証明書を発行してもらいます。これには数日から数週間かかる場合があります。
  4. 払戻請求書の提出
    銀行所定の払戻請求書に記入し、必要書類を添えて提出します。
  5. 解約・払戻
    銀行が書類を確認し、問題がなければ解約手続きが完了します。払戻金は相続人間で決めた口座に振り込まれます。
解約手続きの期限について
解約手続きの目安となる期間

銀行口座の解約手続きには明確な法的期限はありませんが、目安として被相続人の死亡後3~6ヶ月以内に手続きを進めることが推奨されます。この期間内に手続きを開始することで、相続税の申告や遺産分割の協議をスムーズに進めるための準備が整います。また、銀行によっては解約手続きに一定の処理期間が必要な場合があるため、早めに対応することが重要です。

相続税申告との関係

相続税の申告期限は、被相続人の死亡日から10ヶ月以内と定められています。この期間内に、全ての相続財産の評価を完了し、必要な書類を揃える必要があります。銀行口座の解約に関連する手続きとして、以下の2点が相続税申告に大きく関わります。

  1. 残高証明書の取得
    残高証明書は、相続税の申告に必要な書類の一つです。死亡時点での口座残高を証明するもので、取得には銀行ごとに数日から数週間かかる場合があります。
  2. 未収利息の確認
    被相続人の口座に未収利息がある場合、それも相続財産として申告する必要があります。銀行解約の際に確認しておきましょう。

これらの手続きを完了しないと、相続税申告に必要な情報が揃わないため、解約手続きは早めに進めることが求められます。

解約が遅れるリスク

解約手続きが遅れることで、以下のようなリスクが生じる可能性があります。

  1. 相続税申告の遅延
    必要書類が揃わず、相続税申告の期限に間に合わない場合、ペナルティとして延滞税や加算税が発生します。
  2. 遺産分割協議の遅延
    銀行口座の財産内容が確定しないことで、他の遺産分割手続きにも影響が及び、相続人間の合意形成が遅れる可能性があります。
  3. 口座管理のリスク
    長期間解約しない場合、銀行が休眠口座として管理するケースもあります。この場合、解約時に追加の手続きが必要になる場合があります。

02銀行解約の事前準備

必要な確認事項

銀行解約をスムーズに進めるためには、事前に口座や取引状況を確認し、必要な情報を整理しておくことが重要です。以下では、解約手続きに必要な確認事項を詳しく説明します。

取引銀行の特定方法

被相続人が利用していた銀行を特定することは、解約手続きの第一歩です。以下の方法で、取引銀行の情報を確認しましょう。

郵便物や通知書の確認

被相続人宛に届く銀行からの取引明細書や通知書、カード利用明細などを確認します。

家族や知人への確認

被相続人がどの銀行を利用していたか、家族や知人に聞いてみるのも有効です。

引き落とし先の確認

公共料金やクレジットカードの引き落とし先銀行も手がかりになります。

預金通帳・印鑑の確認

銀行口座を解約するには、預金通帳と登録印鑑が必要です。事前に確認し、紛失している場合は銀行に連絡して再発行の手続きを行いましょう。

通帳の役割

通帳には口座番号や取引履歴が記載されており、解約手続きや残高証明書の取得時に必要です。

登録印鑑

銀行に登録されている印鑑が必要です。紛失している場合は、再登録が必要になるため、早めに手続きしましょう。

キャッシュカード・証書の確認

キャッシュカードや定期預金の証書など、被相続人が保有していた銀行関連のアイテムも確認しておきます。

キャッシュカード

通常預金の引き出しや取引履歴確認に使用します。紛失時には再発行手続きを行います。

定期預金証書

解約手続きに必要となる場合があります。特に、証書がないと解約が難しいケースがあるため注意が必要です。

インターネットバンキングの確認

被相続人がインターネットバンキングを利用していた場合、その情報も確認します。

ログイン情報の確認

IDやパスワードが記載された書類が残っている場合は大切に保管します。

取引履歴の確認

インターネットバンキングを利用している場合、取引履歴や残高を確認することで、必要な手続きが明確になります。

サービスの停止

インターネットバンキングの解約も手続きの一環となりますので、利用していた場合は銀行に停止の連絡をしましょう。

これらの確認事項を整理しておくことで、銀行解約の手続きがスムーズに進みます。特に、紛失物や不足している情報がある場合は早めに対処することが重要です。

必要書類の準備

銀行口座を解約する際には、銀行が指定する必要書類を揃える必要があります。不足があると手続きが遅れるため、以下の書類を確認し、準備しておきましょう。

戸籍謄本・除籍謄本

被相続人の死亡を証明し、相続人を特定するために必要な書類です。

戸籍謄本

被相続人が出生から死亡までの戸籍を確認できるものを揃えます。

除籍謄本

被相続人の本籍地で発行され、死亡後の戸籍情報を示します。

これらの書類は被相続人の本籍地の市区町村役場で取得可能です。複数の銀行で手続きする場合は、必要部数を確認しておきましょう。

相続人全員の印鑑証明書

遺産分割協議書に押印した相続人全員の印鑑証明書が必要です。

有効期限

発行日から3ヶ月以内のものが一般的に求められます。

取得先

相続人の住所地を管轄する市区町村役場で取得可能です。

印鑑証明書は法的効力を確認するために必須ですので、全員分を用意してください。

遺産分割協議書

相続人全員で話し合い、財産分割の方法について合意した内容を記した書類です。

記載内容

被相続人の情報、相続人の情報、財産の分割内容、全相続人の署名・押印が必要です。

作成方法

弁護士や行政書士に依頼することも可能です。

協議書がない場合は銀行が定める代替書類や手続きが必要になるため、確認しておきましょう。

相続人の本人確認書類

相続人全員の身分証明書が必要です。運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど、写真付きの身分証明書を準備します。

注意点

有効期限が切れていないことを確認してください。

コピーの提出

銀行によっては原本確認後にコピーを提出するケースもあります。

各銀行固有の届出用紙

銀行ごとに異なる解約申請書や払戻請求書が必要です。これらは各銀行の窓口または公式ウェブサイトから取得します。

記載内容

被相続人の情報、相続人の情報、解約口座や払戻先口座の情報を記入します。

不備の防止

記載内容が不備の場合、手続きが進まないため注意が必要です。

準備のポイント
  1. 複数銀行で手続きがある場合
    各銀行で必要書類が異なることがあるため、事前に確認しておきましょう。
  2. 不明点は相談
    書類準備について不明な点があれば、銀行窓口で確認することをおすすめします。
  3. 早めの準備
    書類の取得に時間がかかる場合があるため、早めに手配することが大切です。

03銀行別の解約手続き

メガバンクの場合

メガバンク(全国規模で展開する大手銀行)の解約手続きは、基本的な流れは共通していますが、詳細な手続きや必要書類は銀行によって異なる場合があります。以下に、メガバンクの解約手続きにおける一般的なポイントをまとめました。

項目 詳細
必要書類 戸籍謄本・除籍謄本、相続人全員の印鑑証明書、遺産分割協議書、相続人の本人確認書類、銀行所定の解約申請書
手続き方法 店舗窓口での手続きが基本。ただし、一部銀行では郵送対応やオンラインサポートが利用できる場合もあり。
残高証明書の取得 解約手続きと並行して残高証明書を申請することが一般的。取得には数日から数週間かかる場合がある。
払戻方法 解約後の払戻金は指定された相続人代表者の口座に振り込む形式が一般的。分割払戻が必要な場合は事前に確認する必要がある。
注意点 手続き時に提出する書類の不備や不足があると解約手続きが遅れるため、事前確認が重要。
手続きの進め方
  1. 事前準備
    必要書類を揃えるとともに、対象となる口座の詳細を把握します(口座番号、支店名など)。
  2. 店舗窓口での手続き
    ほとんどのメガバンクでは、解約手続きは店舗窓口で行います。解約申請書に記入の上、必要書類と共に提出します。
  3. 残高証明書の申請
    解約に伴い、残高証明書が必要になる場合があります。申請には口座凍結の確認後、数日から数週間かかることが一般的です。
  4. 払戻金の受け取り
    払戻金は指定した相続人代表の口座に振り込まれます。一部の銀行では現金での払戻も可能ですが、上限金額や手続きが必要になる場合があります。
注意点
書類不備の防止

銀行が指定する解約申請書の記入内容や必要書類が不足していると、手続きが進まないため、事前確認を徹底しましょう。

手続き期間の目安

書類の準備や残高証明書の取得に時間がかかるため、解約手続きは余裕を持って進めることが重要です。

各銀行の窓口対応

メガバンクでは専用の相続サポート窓口を設けている場合があり、事前に予約すると手続きがスムーズに進むことがあります。

地方銀行・信用金庫の場合

地方銀行や信用金庫での銀行解約手続きは、メガバンクと基本的な流れは同じですが、それぞれの特徴や地域性に応じた対応が必要です。以下に、地方銀行と信用金庫の特徴や手続きのポイントを解説します。

地方銀行の特徴

地方銀行は、特定の地域を中心に展開している銀行で、地域密着型のサービスが特徴です。解約手続きにおいては、地域特性を踏まえた柔軟な対応を期待できます。

地域性を活かした対応

地域密着型のため、地元の相続事情に詳しい担当者がサポートすることが多いです。

手続きの流れ

基本的には店舗窓口での対応が中心となりますが、一部の地方銀行では郵送手続きや訪問対応を行う場合もあります。事前に該当店舗に確認しておくとスムーズです。

注意点

地方銀行は支店ごとに対応が異なる場合があります。手続き前に対象支店の連絡先を確認し、必要書類や手続きの詳細を問い合わせることをおすすめします。

信用金庫の特徴

信用金庫は、地域住民や地元企業の相互扶助を目的とした金融機関で、地方銀行以上に地域性が強い傾向があります。

相続手続きの柔軟性

地域の会員組織として運営されているため、相続人との対話を重視した対応を行うことが多いです。

手続きの流れ

窓口での対面手続きが基本です。解約手続きに必要な書類(戸籍謄本や遺産分割協議書など)は、信用金庫によって若干異なるため事前確認が重要です。

注意点

信用金庫では、利用者が会員資格を持つ場合があります。この場合、相続後に会員資格の移行や脱退の手続きが必要になることもあります。

各金融機関の相談窓口

地方銀行や信用金庫は、相続に関する専用窓口や相談サービスを設けていることがあります。事前に利用することで、手続きが円滑に進む可能性があります。

項目 詳細
専用窓口の利用 地域ごとの相続相談窓口で手続きの詳細や必要書類を案内してもらえます。
電話やウェブサイトでの確認 各金融機関の公式ウェブサイトには、相続手続きに関する情報や相談窓口の連絡先が記載されています。
事前予約の推奨 混雑を避けるため、事前に予約を入れるとスムーズに進められることが多いです。
訪問サービス 一部の地方銀行や信用金庫では、高齢の相続人を対象に訪問サービスを提供している場合もあります。

地方銀行や信用金庫での解約手続きは、地域性や金融機関独自のルールに対応する必要があります。事前に必要書類を確認し、相談窓口やサービスを活用することで、スムーズな手続きを進めることが可能です。特に、地域密着型の金融機関では、柔軟な対応が期待できるため、疑問点があれば積極的に問い合わせることをおすすめします。

ネット銀行の場合

ネット銀行での解約手続きは、従来の店舗型銀行と異なる特徴があります。すべての手続きがオンラインや郵送で完結する場合が多いため、必要書類や進め方を正確に把握しておくことが重要です。以下に、ネット銀行での解約手続きのポイントを解説します。

ネット専業銀行の特徴

ネット銀行は、物理的な店舗を持たず、すべてのサービスがオンラインで提供される金融機関です。相続手続きも郵送やオンラインを通じて進めるのが一般的です。

オンライン手続きが基本

窓口がないため、ウェブサイトやアプリを利用した申請手続きが中心となります。

サポート窓口の利用

相続専用のサポートセンターを設けている場合が多く、電話やメールで問い合わせが可能です。

手続き期間の短縮

書類の郵送やオンライン申請により、比較的迅速に手続きが進むことが期待できます。ただし、提出書類が不備の場合は再提出が必要です。

必要書類の違い

ネット銀行の解約手続きでは、必要書類が店舗型銀行と若干異なる場合があります。以下は一般的な必要書類の例です。

必要書類 詳細
戸籍謄本・除籍謄本 被相続人の死亡を証明し、相続人を特定するために必要。郵送での提出が求められる。
印鑑証明書 相続人全員のものを準備。オンラインではスキャンデータの提出が求められる場合もある。
本人確認書類 運転免許証やマイナンバーカードなどのコピーを郵送またはオンラインで提出。
遺産分割協議書 財産分割に関する相続人全員の合意を示す書類。電子データでの提出が許可される場合もある。
銀行指定の解約申請書 各ネット銀行のウェブサイトからダウンロード。必要事項を記入し、郵送またはスキャンして送付する。
手続きの進め方

ネット銀行での解約手続きは、以下の手順で進めることが一般的です。

  1. ウェブサイトで情報確認
    利用中のネット銀行の公式サイトにアクセスし、「相続手続き」のページを確認します。必要書類や手続き方法が詳細に記載されています。
  2. 解約申請書のダウンロード
    銀行所定の解約申請書をダウンロードし、必要事項を記入します。必要に応じて相続人全員の署名・押印を取得します。
  3. 必要書類の準備と送付
    戸籍謄本、印鑑証明書、本人確認書類などを準備し、解約申請書と一緒に銀行指定の住所へ郵送します。一部のネット銀行ではスキャンデータのアップロードが可能な場合もあります。
  4. 銀行からの確認連絡
    提出した書類に不備がなければ、銀行から確認の連絡が入ります。不足書類がある場合は、追加で送付する必要があります。
  5. 払戻金の受け取り
    払戻金は相続人代表者の口座に振り込まれます。振込先の口座情報を間違いなく記入することが重要です。
注意点
サポート窓口の活用

ネット銀行では、電話やメールでのサポート体制が整っているため、手続きに関する不明点は事前に確認することをおすすめします。

郵送手続きの遅延リスク

書類の郵送や確認作業に時間がかかる場合があります。余裕を持ったスケジュールで手続きを進めましょう。

セキュリティの確保

書類を郵送する際には、追跡可能な郵送方法を選び、大切な書類の紛失を防ぎましょう。

04具体的な解約手順

銀行口座の解約手続きは、段階的に進める必要があります。以下では、具体的な手順をステップごとに詳しく解説します。

STEP1
死亡の届出

被相続人の死亡後、最初に行うべき手続きが銀行への死亡の届出です。この手続きにより、口座が凍結され、不正引き出しのリスクを防ぎます。

必要な持ち物
  • 被相続人の死亡診断書(または死亡届の写し)
  • 被相続人の戸籍謄本
  • 届出人の本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
届出の方法

銀行窓口に出向き、死亡事実を報告します。郵送対応や専用フォームの利用が可能な場合もあるため、事前に銀行へ確認してください。

口座凍結の確認

銀行は死亡の届出を受けた後、速やかに口座を凍結します。この措置により、引き落としや振込などの取引が停止されます。

STEP2
相続人の確認

相続手続きを進めるためには、法定相続人を確定し、関係性を示す書類を用意する必要があります。

相続人の範囲確認

被相続人の戸籍謄本や除籍謄本を取得し、出生から死亡までの記録を確認します。これにより、相続人の範囲を確定できます。

必要書類の収集
  • 戸籍謄本・除籍謄本(被相続人の分)
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の印鑑証明書
相続関係説明図の作成

相続人の関係性を示す図(家系図のようなもの)を作成し、銀行に提出します。一部の銀行では提出が必須です。

STEP3
預金残高の確認

解約手続きに先立ち、相続財産としての預金残高を確認します。この情報は、遺産分割協議や相続税申告に必要です。

残高証明書の取得

被相続人の死亡時点の残高を証明する書類です。銀行窓口で申請し、発行には数日から数週間かかる場合があります。

未収利息の確認

預金口座に未収利息がある場合、それも相続財産に含まれます。銀行に利息分も含めて確認を依頼してください。

総合口座の借入確認

総合口座の場合、預金残高だけでなく、借入額(総合口座貸越)があるかどうかも確認します。

STEP4
払戻請求手続き

預金残高が確定したら、解約と払戻の手続きを行います。

必要書類の提出
  • 戸籍謄本・印鑑証明書・遺産分割協議書
  • 銀行指定の解約申請書
  • 払戻先の口座情報
払戻方法の選択

払戻金は、代表相続人の口座に一括で振り込まれるのが一般的です。一部の銀行では分割振込も対応可能な場合があります。

受取口座の指定

払戻金を受け取る口座を事前に指定し、申請書に記載します。受取口座は通常、相続人代表者の名義口座が使用されます。

05特殊なケースへの対応

相続手続きでは、標準的な流れとは異なる特殊な状況が発生することがあります。ここでは、「相続人が多数いる場合」「遺言書がある場合」「相続放棄がある場合」の対応について解説します。

相続人が多数いる場合

相続人が多数いる場合、意見の調整や書類準備が複雑になるため、効率的な手続きが求められます。

代表相続人の選出

相続人全員で話し合い、解約手続きを代表して進める「代表相続人」を選ぶとスムーズです。代表者に委任する旨を記載した書類(委任状)を用意します。

必要書類の確保

戸籍謄本、印鑑証明書、遺産分割協議書を相続人全員分準備します。不足がある場合、手続きが遅れるため注意が必要です。

意見の調整

相続人間で意見の対立が起きやすい状況では、第三者(弁護士や税理士)を交えて話し合いを進めることで円満な解決を図ることができます。

遺言書がある場合

遺言書がある場合、相続手続きは基本的に遺言書の内容に従って進めます。ただし、遺言書の種類や内容によっては特別な対応が必要です。

遺言書の確認

自筆証書遺言の場合は家庭裁判所で「検認」を受ける必要があります。公正証書遺言の場合は検認が不要で、遺言内容に基づいて手続きを進められます。

遺留分の配慮

遺言書が法定相続人の遺留分を侵害している場合、遺留分侵害額請求が行われる可能性があります。請求があった場合は、その範囲で調整が必要です。

付言事項の扱い

遺言書に記載された希望や指示(付言事項)は法的拘束力はありませんが、相続人間で尊重する形で協議することが一般的です。

相続放棄がある場合

相続人の中で相続放棄を行う人がいる場合、残りの相続人で財産分割を進める必要があります。

相続放棄の手続き確認

相続放棄は家庭裁判所に申請して行います。申請後、放棄が認められた証明書を取得し、銀行や他の相続人に提示する必要があります。

相続人の再確定

相続放棄が行われた場合、相続人の範囲が変更されるため、再度戸籍謄本を確認して新たな相続人を確定します。

遺産分割協議の進め方

放棄を行った相続人を除いて協議を進めます。放棄者には財産取得の権利がないため、協議には参加しません。

注意点
トラブル防止

相続人間で意見が対立しそうな場合や特殊なケースが発生した場合、早めに専門家(弁護士、行政書士)に相談するとトラブルを未然に防ぐことができます。

手続きの迅速化

遺言書や放棄申請が関与する場合、関連書類の準備や家庭裁判所の手続きに時間がかかるため、早めに対応を開始しましょう。

銀行解約手続きをスムーズに進めるために

銀行解約手続きは、相続において重要なステップです。被相続人の口座が凍結された後、解約手続きには必要書類の準備や各銀行ごとのルールを理解して進める必要があります。特に、戸籍謄本や遺産分割協議書などの基本書類に加え、銀行が指定する解約申請書を揃えることが重要です。手続きには時間がかかる場合があるため、早めの準備が求められます。

地方銀行やネット銀行では、特有の手続きやルールがある場合があるため、銀行の公式ウェブサイトや窓口で事前確認を行うことをおすすめします。相続手続きをスムーズに進めるためには、計画的な準備と適切な対応が鍵となります。不明点があれば銀行の相続サポート窓口を積極的に活用し、迅速かつ円満な相続を実現しましょう。

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