お知らせ
みらいえ相続グループからのお知らせです
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相続が発生すると相続税の節税に気を取られがちだ。しかし相続後に不動産を売却した場合、所得税がかかり結局は節税にならなかったということもあるので、将来その不動産をどうするかも考えて対策することが肝要だ。
不動産の売却にかかる税金は売却額から購入額を引いた利益に課税され、購入後5年超で売却した場合は約20%、5年以下の場合は約40%である。
例えば親が土地を1000万円で買って家を建て、数十年後に子の1人が相続、建物の価値はほぼゼロで土地を3000万円で売ったとすると、2000万円の約20%が税金という計算だが、特別控除額があり利益が3000万円までは非課税となる。
親が購入した当時の購入額がわからない場合は売却額の5%しか購入額として認められない。そのため購入時の契約書はきちんと保管しておくことが重要だ。
不動産の売却では相続の仕方、特例の使い方などで、所得税が非課税になるか課税されるかの違いがあるので、よく考えたい。
【子どもの共同所有で相続】
例えば親の家を子ども2人で相続する場合は、1人が相続して売却した方が手続きは簡単だが、2人が共同所有すると譲渡所得の特別控除額が3000万円ずつで計6000万円まで非課税となる。
【空き家特例※の活用】
別居していた親の家を相続して売却する場合は空き家特例が適用できる。親が亡くなり、また親が施設に入って空き家になるという場合、空き家特例で譲渡所得から3000万円が控除される。ただし、空き家になった後、子の転勤や孫の大学進学などで一時的に実家に住むなどのことがあれば、空き家とは認められず特例は適用されないので注意が必要だ。
【親と配用者の養子縁組】
親と同居していても、相続と同時にマンションなどに住み替えることにし実家を売却する際は、居住用財産の譲渡所得に対し特別控除額3000万円が適用される。利益がそれを超える可能性がある時は、事前に親と配偶者が養子縁組して土地と建物を2分の1ずつ相続すれば譲渡所得6000万円まで非課税となる。
【配偶者間の贈与で調軽】
親と同居していた家を1人が相続し、そのまま夫婦で住み続けたが何年か後に住み替えようと考えて、配偶者が親と養子縁組していない場合に、実家の売却益が3000万円を超えそうなら、配偶者に不動産を贈与する方法もある(婚姻期間20年以上で居住目的なら2000万円まで非課税)。ただし売却直前に贈与すると、居住目的ではなく売却目的とみなされて課税されることもある。
佐藤智春税理士は「相続時に考えるべきことは、不動産をどう活用するかです。将来を見据えて、今の選択をすることが本当の節税になりますから家族でよく今後の暮らし方を話し合い、準備をすることが大切ですね」と話す。相続は被相続人の生前から相続時、その後まで長期的な視点で対策をしたいもの。複雑な税の問題は、専門家のアドバイスを受けることがよりよい解決につながる道だ。
「2025年12月号りらく掲載」