お知らせ
みらいえ相続グループからのお知らせです
みらいえ相続グループからのお知らせです
最近の国税局の相続税課税状況調査によると、相続財産として預貯金の割合が増加し、相続税納付額が増加している。
宮城県では、令和4年は相続人数が4036人で納付額が約265億円。令和5年は相続人の数が4265人、納付額が約313億円。
相続人一人当たりの納付額は令和4年が約658万円、令和5年が約734万円である。
佐藤智春税理士の分析によると現在亡くなっている80歳前後の親世代は年金生活でもそれなりに預貯金があり、その子どもは1~2人という場合が多く、少子化傾向が進んでいることが要因だと考えられる。
子どもが多ければ相続税非課税になる財産額でも一人っ子なら課税されることになるのだ。
節税を図るには、生前から家族でよく話し合い、財産を生かす対策をしておくことが肝要だ。
相続税の節税のために利用したいのが生前贈与と相続時精算課税制度。
生前の暦年贈与については110万円まで非課税だが、相続発生時から遡って7年以内の分は全額相続財産に繰り入れられる。
しかし令和6年に改正施行された相続時精算課税制度を利用すると、相続発生時から7年以内でも毎年110万円までは相続財産に加算されないため、贈与税も相続税もかからないのだ。
暦年贈与開始時に税務署に届け出をすれば毎年の申告も不要。
佐藤税理士は「相続時精算課税制度を活用した贈与は、長期間にわたって計画的に行うことで、より大きな節税効果が期待できます。
このように相続税・贈与税には課税されない制度がありますが、関東では利用が2倍に増えている一方、東北ではまだまだ活用が進んでいません。
かしこく制度を活用して節税対策を実施するためにも、正しい贈与の方法を知ってほしい」と話す。
相続時精算課税制度を利用する際に注意したいのは名義預金。
親が子どもに知らせずに子ども名義の口座を作って振り込み、通帳も親が持っていた場合など、贈与者、受贈者両方が贈与を認識していないと贈与が成立しないため、税務署に贈与と見なされず相続財産に加算されることになる。
また、申告漏れにも気をつけたい。現在ネット上で相続税のシミュレーションができるようになっており、自分で申告しようという人もいる。
被相続人の死亡時の口座残高を相続財産の預貯金と見なしがちだが、以前の金の動きをよく見ると家族への贈与があった、契約者は子どもだが保険料を支払ったのは親だったなど、見落としが多くなりがちだ。
税務署はそうした点を詳しくチェックし、申告漏れを指摘してくる。
申告者が気づかない点、チェックリストを無視した点が裏目に出てしまうことも。
複雑な相続税申告に関しては、やはり相続の専門家に相談して正当な節税を図るのが納得のいく方法といえよう。
「2025年10月号りらく掲載」