一般のお客様から相続サポートしている人まで幅広く役立つ相続に関する知識をわかりやすくご紹介しています。

土地を分けるときに知っておきたいこと ~旗竿地(はたざおち)のお話~

会員限定

佐藤 智春

◆ こんなご相談がありました

ご兄弟お二人で、実家の土地を相続されたAさん。敷地の中には、お父様お母様が住んでいた母屋と、Aさんご自身が住む離れがあります。現在は、お兄様が母屋に、Aさんが離れにお住まいです。
「これからのことを考えて、それぞれの土地を分けて、自分の名義にしておきたい」
そうお考えになったのですが、一つ心配な点がありました。Aさんのお家は道路から奥まった場所にあるため、土地を分けると、道路に接する部分が細長い通路のような形になってしまうのです。
「こんな形の土地を分けても、大丈夫なのだろうか」
「将来、家を建て直したり、売ったりするときに困らないだろうか」
このご不安、実はとても大切な視点です。今日はこの点を、順番にご説明します。


◆ その1:「旗竿地(はたざおち)」って何?

道路に接する部分が細い通路のようになっていて、その奥に広い敷地がある土地のことを、「旗竿地」と呼びます。形が旗竿に似ていることから、こう呼ばれています。一見、めずらしい形ではありますが、実は住宅地ではよく見られる形です。ただし、この形の土地には、注意すべきルールがあります。


◆ その2:家を建てるには「道路との接し方」が大事

法律では、家を建てるためには、原則として「幅4メートル以上の道路に、2メートル以上接していること」が必要とされています。これを「接道義務(せつどうぎむ)」といいます。もしこの条件を満たさない土地になってしまうと、家が建てられない「無道路地」として扱われてしまうことがあります。
つまり、土地を分ける際に、この「道路との接し方」を確認しないまま分けてしまうと、
• 将来、建て替えができなくなる
• 売ろうと思っても、買い手が見つかりにくくなる
といった問題が起きる可能性があるのです。


◆ その3:通路部分の「幅」と「長さ」にもルールがある

さらに、旗竿地の通路部分については、幅や長さについて、地域ごとに細かいルールが定められていることがあります。たとえば東京都では、通路の長さに応じて、必要な幅が決められています。

このルールを知らずに土地を分けてしまうと、後になって「建築の許可が下りない土地」になってしまうことがあります。そうなると、その土地の価値は大きく下がってしまい、将来売却するとなった場合に困ってしまうこともあるのです。


◆ 分筆は「相続税」にも関わります

土地の分け方(分筆の仕方)は、実は相続税の評価額にも影響します。同じ面積の土地でも、道路にどう接しているか、通路部分がどんな形状かによって、税務上の土地の評価額が変わってくることがあるのです。
• 接道条件が悪くなる分け方をすると、評価額が下がる場合がある一方で、「使い勝手の悪い土地」として将来売りづらくなる
• 逆に、評価だけを気にして分け方を決めると、住みやすさや将来の建て替えに支障が出ることもある
つまり、「税金の面」と「暮らしやすさ・資産としての価値」の両方をバランスよく考えることが大切です。


◆ 分ける前に、専門家にご相談を

土地を分けるというのは、ご家族の将来に関わる大切な決断です。「せっかく分けたのに、家が建て替えられない」「売ろうと思ったのに、売れない」ということにならないよう、分筆する前に、
① 道路との接し方(接道義務)
② 通路部分の幅・長さのルール
③ 相続税評価への影響
この3つを、ぜひ事前にご確認ください!

土地の分け方について、自分たちで納得して決めても、思わぬところで落とし穴があることがあります。「うちの実家の場合はどうなるのだろう?」と少しでも気になる方は、是非みらいえ相続へお気軽にご相談くださいませ。

会員限定の
記事一覧を見る

[監修]

佐藤 智春代表 税理士・行政書士

経歴:仙台大原簿記専門学校卒業後、宮城県で最年少税理士登録。20年以上の実務経験を持ち相続専門税理士として数多くの案件を手がける。(2025年相続税申告実績/184件) 相続専門税理士佐藤智春は税理士の日(2月23日)に産まれ、二次相続はもちろん、三次相続までサポートできます。多くの案件をこなしているからこそ三次相続まで見据えた遺産の分け方を提案しています。

相続の知識箱トップへ

どんな相続のお悩みも
ご相談ください

相続は、法律・税務・不動産と多岐にわたる複雑な問題が絡み合います。私たちのグループは「税理士法人」「行政書士法人」「相続専門不動産」の3つの専門機関が連携し相続に関するあらゆる悩みに対応します。

初回
無料

相続のご相談ならお気軽に

面談受付中

みらいえ相続グループホームページ