お客様からのご相談内容
父親が亡くなりました。10年前に相続時精算課税制度を利用していましたが、預貯金がまったくありません。
基礎控除以下なので申告しなくてもいいですよね。
ご提案
預貯金の動き整理した上で判断しましょう。
解説
最初お話しをお伺いしたところ、預貯金の残金が全くないとおっしゃっておりましたが、
通帳を拝見すると、確かに残高はありませんでしたが、大きなお金の動きがありました。
よくよく話しを聞くと、死んでからの手続きだと大変だから今のうちにみんなで分けるように言われたそうで、数年間に渡り出金を繰り返していました。
でもちょっとまってください!生前にお父さんの遺産を分けたから財産に含まれないわけにはいきませんし、
相続時精算課税制度を利用した後の贈与については、贈与税の申告も必要です。
まずは、お父様のお金の動きの整理を行い、贈与が成立しているのか?それとも預かっていただけなのか?財産総額はいくらになるのか?
調査をしましょう!とご提案しました。
そして、調査の結果、最終的には基礎控除を超える財産が判明してしまい、申告が必要となりました。
最近、相続時精算課税制度を利用している相続人の、贈与者の親がお亡くなりになるケースが多くなってきました。
相続時精算課税制度ができて15年が経過し、今後も同様の相談が増えてくることが予想されます。
そのほとんどの方が制度の概要をしっかり理解せずに利用しているために、暦年課税制度と混同してしまったり、
その後の贈与税申告を行っていないことで、申告期限を過ぎてしまい贈与税の申告漏れとなり遡って申告しなればならない方もいらっしゃいます。
その場合、申告期限内に申告書を税務署に提出しなかったとして、相続時精算課税制度の特別控除を受けることができなくなります。
贈与された財産の20%の贈与税の納付義務が課されるだけではなく、
加算税や延滞税が課されることもあり、不要な税金を払わなければならず大変な思いをする方々がいらっしゃいます。
当センターでは、相続税のことだけではなく、生前の贈与についても相談を承っております。
一人ひとりに合わせての対策をご提案させて頂くことができますので、お気軽にご相談ください。
[監修]佐藤 智春
【代表 税理士・行政書士】
経歴:仙台大原簿記専門学校卒業後、宮城県で最年少税理士登録。16年以上の実務経験を持ち相続専門税理士として数多くの案件を手がける。
(2023年相続税申告実績/179件)
税理士佐藤智春は税理士の日(2月23日)に産まれた40歳です(2024年現在)。若いからこそ、二次相続はもちろん、三次相続までサポートできます。多くの案件をこなしているからこそ三次相続まで見据えた遺産の分け方を提案しています。