住宅ローンの繰上げ返済をしない方が相続税対策になる。

【相談内容】
父は、公務員でした。 現職を早期退職し、退職金を住宅ローンの繰上げ返済に充てていました。 子供に借金を残したくない。という親心だったようです。

【税理士の気持ち】
うれしい親心ですね。 税理士からすれば、なぜ繰り上げ返済してしまったの? もったいない。 と、思うのです。(思っていても言えませんが)

【解説】
繰上げ返済するくらいの余力の預金があるならば、 その預金は、子供や配偶者に贈与する。 子供や配偶者は、いずれ我が身に振りかぶってくる住宅ローンの 返済のために贈与された預金を貯蓄する。 (名義預金にならないように注意が必要です。) 子供や配偶者は、相続により住宅ローンを引き継いだときに、繰り上げ返済する。 この場合、父に相続が起きたときは、住宅ローンの残高は、財産から控除できます。 さらに、預金の贈与をしているため、預金残高も減っています。 財産も減り、住宅ローンの控除もあり、相続税は下がるのです。 どうでしょうか。 繰上げ返済をしない方が良い意味は伝わりましたでしょうか。 もし、父が亡くなったときに、住宅ローンを完済しているとき、 又は団体信用保険により住宅ローンが完済されるときは、 子供や配偶者は、その貯蓄していた預金を別なことに利用すれば 良いのです。 さらには、住宅ローンの繰り上げ返済の検討時期は、 生前贈与や相続について考える良い機会でもあります。 相続人としてこのコラムを読んだのならば、 このような機会を利用して相続の話をできると良いと思います。

佐藤智春

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[監修]佐藤 智春
【代表 税理士・行政書士】

経歴:仙台大原簿記専門学校卒業後、宮城県で最年少税理士登録。16年以上の実務経験を持ち相続専門税理士として数多くの案件を手がける。
(2023年相続税申告実績/179件)
税理士佐藤智春は税理士の日(2月23日)に産まれた40歳です(2024年現在)。若いからこそ、二次相続はもちろん、三次相続までサポートできます。多くの案件をこなしているからこそ三次相続まで見据えた遺産の分け方を提案しています。