【シルバーネット8月号掲載】亡き母の生命保険について

相談者:母が闘病の末に亡くなりました。相続人は父と私の二人です。母は生命保険を複数加入していました。死亡保険金に税金はかかるのでしょうか?

佐藤:契約者が母、被保険者が母、受取人が父であるときは、相続税の課税が相続人1人500万円まで非課税枠が使えます。ところが、契約者:母だったとしても、保険料の支払いを父が行っていた場合には、受取人に対して所得税が課税されます。

相談者:契約者にかかわらず保険料負担者と受取人との関係によって、税金の種類が異なるのですね。母の加入していた保険料の負担は、どのように調べるのでしょうか。

佐藤:毎年9月頃に届く保険契約のご案内を確認すると良いです。ここには、保険料引落口座や保険料の支払い方法が記載されています。保険料が月払いや年払いであれば、通帳の履歴を確認します。該当する保険料の引落が誰の口座から行われているか確認します。一時払いのときは、契約年月日に近しい日付で預金の払い出しが誰の口座から行われているか確認します。

相談者:保険契約の内容と預金の過去履歴の確認が必要なのですね。昔の通帳がないのですが、どうしたらよいでしょうか。

佐藤:預金の履歴は、10年分は銀行に履歴の開示請求をすれば取得できます。しかし、開示請求には費用がかかります。

相談者:昔の通帳は大切なのですね。私のときは、保存するようにします。

佐藤:保険金の情報は、保険会社から税務署に通知がいきます。課税漏れを指摘されやすいので、正確な判断のためにはしっかりとした調査が必要です。
当センターはこれらの調査から承ることができます。まずはお気軽にご相談ください。