不動産の名義が亡くなった方のままになっている、という相談は少なからずあります。
不動産の名義変更(不動産登記)には、いつまでにやらなければいけない、という期限がありませんので、ついつい放置してしまいがちなのかもしれません。しかし放置していいものでは決してありません。でも人間ですもの、ついつい放置してしまうことありますよね。
私が放置してしまいがちなもの、それは冷蔵庫の奥に眠っている ○○のもと や、○○のたれ です。いつか使うかもしれない、賞味期限切れ後ぐらいが熟成されて美味しいかもしれない、わけのわからない言い訳と共に放置されている○○のもと たち。更にこれらを最後まで使いきったら、わたし超エコじゃん!という、放置の美学のもと、いつかの捨てるタイミングまで延々と放置されていくのです。○○のもとレベルの放置でしたら、分別してゴミ袋で捨てる程度ですから、処理費用はゴミ袋代金で済みますが、不動産の名義変更はそれなりに費用がかかりますし、司法書士に依頼をするとなるとその分も費用はかかります。
加えて、いざ名義変更をやろうと思ったはいいですが、放置をしておくことにより、対象不動産の相続権をもつ相続人がどんどん増え、手続きが煩雑になったり、遺産分割協議が更に大変なことになってしまうのです。ゆえに費用もかかります。放置の美学の代償は思ったよりも大きいかもしれません。
残念ながら、現状の日本には放置の美学の賜物とでもいいましょうか、ご先祖様名義のままになっている不動産がたくさんあるといわれています。昔の人も私みたいに放置の美学に酔いしれていたんだなーとどこかで安心しつつも、誰かがどこかのタイミングでどうにかしなければならない問題がたくさんあるという現実をきちんとみなければいけないのも事実です
自分では価値のないと思っている不動産でも、いざ買いたい人が偶然現れることもあるかもしれません。その時に慌てふためいて不動産の名義変更をしようとしても直ぐにできるものでもありません。備えあれば患いなし。不動産の名義変更はお早めに済ませるに越したことはありません。
[監修]佐藤 智春
【代表 税理士・行政書士】
経歴:仙台大原簿記専門学校卒業後、宮城県で最年少税理士登録。16年以上の実務経験を持ち相続専門税理士として数多くの案件を手がける。
(2023年相続税申告実績/179件)
税理士佐藤智春は税理士の日(2月23日)に産まれた40歳です(2024年現在)。若いからこそ、二次相続はもちろん、三次相続までサポートできます。多くの案件をこなしているからこそ三次相続まで見据えた遺産の分け方を提案しています。